ED115S いんぷれっしょん

 

 

                                         

 

 

 


< は じ め に >

 

ED115Sは、ビクセン開発工業(ビクセンブランドの開発、製造を行っている会社)のネットオンラインで2004年7月頃まで発売されていた屈折望遠鏡です。レンズには特殊低分散レンズ(ED)を使用し、有効口径115mm、焦点距離667mm、口径比(焦点距離÷口径)5.8の短焦点設計。上位機種であるED114SSがベースとなります。

ビクセンから発売されているED屈折望遠鏡は、口径比が9の長焦点で、高倍率を必要とする惑星や二重星などの天体観望に向いている「Sシリーズ」と、接眼部の手前にフラットナーを配置して写真性能を高め、更に短焦点設計にして星雲や星団の観望・撮影に適した「SSシリーズ」の2つがあります。価格はSSシリーズがSシリーズよりも割高になっています。

ED115Sはベース機のED114SSからフラットナーを取り払うことで、比較的低価格での提供を実現しています。短焦点設計になっていることから、「S」は一個ですが性格的には「SS」寄りと言ってもいいでしょう。ビクセン開発工業はこのような一風変わった仕様の望遠鏡を出すことがあり、例えばアクロマートレンズで口径比4以下という、アクロマート望遠鏡の常識を打ち破るものまで発売しています。いい意味でのお遊び感覚があるメーカーだと思います。

さて、船長っのフローライト屈折での惑星集を見て屈折病を煩ってしまった自分は、最終的にこのED115Sを選択しました。そのドタバタ劇はProject EDでまんべんなく披露されてますんで良ければ見て下さい。

ここでは、ED115Sを使ってきて自分なりに感じたことを、覚え書き程度に書き留めておきたいと思います。

とりあえず4つのコーナーに分けてみました。もし何か書き留めておきたい項目があれば、逐次アップしていきたいと思います。

 

 


< 梱包・外観 >

 

▼簡素な梱包

梱包は段ボールに、型を取ったスチロール板という思ったよりシンプルなものです。昔、VC200Lを買ったときには、しつこいほど入念に梱包されていたような記憶がありますが、これは販売店によりけり?それとも、光軸が狂いにくい屈折では標準的な梱包となるのでしょうか。

内容は、ED115S本体に、延長チューブに、7×50ファインダーとその支持脚。箱には「天体(望)ガイドブック有り」と記載してあるんですが、納品書しか入ってませんでした。

 

 

▼でかくて軽い鏡筒

船長っのフローライトで見慣れていたつもりでしたが、思ったよりもでかいです。カタログで見るとコンパクトな印象の屈折も10cm級ともなると立派です。外観はフードと鏡筒の径が同じのワンモーションフォルムで何だかパイプみたいです。自分としては、フードの径をもう少し大きく取って、2段のフォルムにした方が「屈折望遠鏡らしく」て好きなんですが、おそらく構成部品の共有化もあるんでしょう。ここは「黙って慣れろ」です。ほら、髪を突然短くしたり、眼鏡を替えたりすると最初は違和感ありますが、3日もあれば慣れるというじゃないですか。

鏡筒は肉厚で丈夫。二昔前のビクセン製品は軽さを重視する余り薄いアルミを使っていて、ちょっとバンドを締めるとすぐへこむような軟弱さでしたが、それからすると一般的な強度になったと思います。値段にもよるのでしょう。気になる重さは5.6kgとのことです。

 

 

▼平均的な遮光処理?

鏡筒内部を見ると、内側はつや消し黒で塗られており、また遮光環が3つほど配されています。主に迷光防止のためですが、これだけの遮光環でいいのか少ないのかは分かりません。多分平均的なところでしょう(?)

内側の黒塗りは光を当てるとやや灰色っぽく映ります。黒塗りは特に明るい星を見たときのコントラストに影響しますんで(光の乱反射があるため。質が悪いと全体的に白っぽくなる)、ここはもう少し上質な黒がほしいなぁと思います。今後、植毛紙対策など考える必要もありそう。

 

 

▼レンズはきれい

来たばっかりだから当たり前ですけどね。前からレンズをのぞくと若干緑がかった色をしていて、コーティングがはられていることを伺わせます。上質なコーティングは光を当てても反射せずにちょうど澄んだ湖のようにその先が見えるのですが、ED115Sの場合は光の反射は小さくはないです。でも、何層ものコーティングを施せばそれだけ価格が跳ね上がるわけで、とても手を出せる代物にゃなりません。そんな望遠鏡は、死ぬ間際に買うことにします。買ってポックリ?

 

 

 

 

▼でかいファインダー

今回初めて7×50ファインダーを使うことになりましたが・・・「でけぇ」の一言です。これまでの6×30よりも2回りほどでかいです。おかげさまで、これを望遠鏡に取り付けると左右のバランスが合わず、必ずファインダー側に望遠鏡が傾いてしまいます。これはひとつには望遠鏡自体が軽く、ファインダーの重さの比率が相対的に大きくなるためでしょう。10cmクラスは6×30でも十分な気がしないでもありません(とか言いつつ使っているのはやはり7×50だったりする)。

 

 

 

 

▼流麗なEM200赤道儀

架台は前から使っているので、インプレは不要でしょう。一応、架台に望遠鏡載っけた姿はなかなかバランスが良く、スタイリングも悪くないなー、とだけ言っておきます。

 

 

 


< 取 り 回 し >

 

 

▼便利な取っ手

ED115Sには、鏡筒バンドの片側に金属製のグリップがあって持ち運びに大変重宝します。ちょっと前まではビニール製のバンドみたいなヤツで持ち運びするモノでしたが、いつちぎれやしないかと精神衛生上好ましいものではありませんでしたが、これならウェイトトレーニングにも使えそうです(?)

グリップは1本の六角ネジで鏡筒バンドに留めているだけで、このネジが緩むとグリップがぐるぐる回ってしまいそうな印象はあるものの、実際はしっかり締め付けられている為今のところは問題ありません。ちなみに、VC200Lにも使用出来ます。

 

 

▼危ないキャップ

フードキャップ(右の写真で先端にある黒い物)は金属製で、プラスチックキャップだった昔と比べれば強度的に十分です。ただキャップのはめ込みシロが浅く、いつ抜け落ちやしないかと思うと、これまた精神衛生上好ましくありません。一応キャップの内側にはフェルトが貼られてスルッと抜けないよう配慮はされてはいますが、長期的に使ってフェルトがなまってしまうと多分スカスカになっちゃうでしょう。もう少しはめ込みシロを深く取って欲しいものです。その点、船長っのFS102なんかは過剰とも思えるキャップをおごっていて安心です。

 

▼短焦点はベランダに有利、屈折はベランダに不利

Project EDで検討したように、670mmのこの長さは現在使用しているVC200Lとほぼ変わらないので、ベランダ観測にはうってつけです。一時期よほどED130SS(口径130mmの巨大屈折)を選ぼうかと思いましたが、そんなの買ったら大変なことになるところでした。大口径望遠鏡や長焦点の魅力に未練がないわけではないですが、これから先長い間に渡ってずっと使い続けていけるものを考えると、これを選んで正解でした。筒の長い巨大望遠鏡は、遠い将来家を建ててお庭で観測出来るような環境がそろってから考えます。

こういう風に取り回しは楽ですが、見るときは結構きついです。別に屈折だからと言うわけではなく、鏡筒の後ろ側に接眼部があるタイプの望遠鏡は星の高度が高くなるにつれて姿勢を低くしないとなりません。頭上付近を見ようとすれば頭の位置は地面から高々50cm余り。つまり膝上ぐらいまでかがまないとならないわけです。

しかも単純にかがむだけでなく、そこから頭を90度ひねって接眼レンズに無理矢理目を持って行かないと星を見ることが出来ない…。ついでにベランダは狭くて身動きが取りにくい。これはベランダハンターの宿命と思うしかないですね。

 

▼バランス合わない

まずED115S単体の場合ですが、ファインダーが重いために左右のバランスが取れず必ずファインダー側に望遠鏡が傾いてしまいます。これを避けるには極力望遠鏡の真上になるようにすればいいのですが、鏡筒が短いのが災いしてグリップに当たってしまい、完全には真上に持ってくることが出来ません。これを避けるには望遠鏡を後ろにスライドすればいいのですが、そうすると接眼部側に重心が移ってしまって前後のバランスが取れなくなるのです。つまりクランプ緩めた状態ではもはや望遠鏡がフリーストップしない、わけです。もし、デジカメコリメート撮影しようものなら間違いなく接眼部側に重心が移ってしまいます。

短焦点望遠鏡は、鏡筒の長さがコンパクトなので振り回すには大変好都合という反面、バランスの取りしろがないのがつらいです。

ある程度バランスが合わなくてもそれを覚悟の上で使うか、鏡筒の前の方に重りを追加して前後のバランスを取れるようにするか、今のところ自分は前者の方を採用している次第です(赤道儀には負担かかりますが)。

 

 

 

 

▼望遠鏡のスライドはなめらか

鏡筒バンドの内側にはフェルトが貼ってあるので、望遠鏡を前後にスライドさせたり、回転させたりするのは、まさに「すべる」ように操作出来ます。またフェルトのおかげで本体への傷は抑えることが出来ます。

なお、当たり前の事ながらスライドさせたり回転させたりするときは、ちゃんと望遠鏡本体を手でしっかりとサポートしておく必要があります。サポートせずにバンドを緩めるとスルッと滑ってかなり心臓に悪いです。特にこいつの場合鏡筒とフードは同じ径なので、そのまま抜け落ちることも考えられ、そうなると泣くに泣けないです。

また、グリップを握っても何のサポートにもなりません。なぜならば、グリップはバンドに付いていて望遠鏡に固定されているわけではないからです。であるからして、望遠鏡が滑った→グリップをワシッと握った→望遠鏡はそのまま滑り落ちた、の図式が簡単に成り立つのは明白です。何でこんな当たり前のことを言うのか?それは自分が先日あわややりかけたからです。

 

▼接眼部構成はシンプル

ビクセンの製品に総じて言えますが、ドローチューブのチューブ取替は比較的シンプルです。直視で見る場合は黒い延長チューブを付け、天頂ミラーを併用する場合は延長チューブ無しとすることでピントが合います。撮影の時も普通に拡大/直焦撮影するのであれば延長チューブ併用で問題ありません。

これがタカハシとかペンタックスだと大変なんですよ。いろんなリングを取っ替え引っ替えしないとならず、よく船長っやオクヒデ君が暗闇の中で「ありゃ?このリング何やったかなぁ。ん?違うなぁ。あれ?あれ?」と呪文のようにつぶやくのを見ると、あぁビクセンで良かったなぁと思うのです。

その代わりというわけではありませんが、接眼部の構造は貧弱の一言に尽きます。ドローチューブの固定ネジを緩めたときと締めたときで、視野の天体が相当移動します。特に撮影範囲の狭いToUcamで撮影しようとすると、ピントを合わせるたびに固定ネジを緩めたり締めたりする作業が頻発しますが、場合によっては天体が視野の外に逃げていくこともしばしば。安い価格で提供しているから仕方ないとは言え、もう少し工夫をしてもらいたいものです。ビクセンの今後の課題は接眼部の構造にあると言っていいかと思います。

なお、自分の接眼部は通常からカメラアダプター用(43NST)の接眼リングを付けていて、ワンタッチでカメラを取り付けられるようにしています。

     

 

 

 

天頂ミラーを使用している状態

天頂ミラーを使用しない状態。普通はコレで見てます。

 

 

 

 


< 見 え 味 >

 

4月になると、木星もベランダの天井に隠れてしまうようになり、自分のシーズンは一区切りつきましたので、ここいらでこれまでの観望結果をもとにED115Sの見え味インプレッションをまとめてみます。なお、ここで記載することはあくまでも自分の主観によるものですので、そのあたりは十分にご理解下さい。

 

▼恒星では・・・

おおいぬ座の一等星シリウスを見てみました。まずLV15mmで約44倍として見てみます。

筒内気流のない屈折らしい落ち着いた像はさすがです。ちょっとシーイングが悪かったのか、星像は思ったよりも肥大してました。極々たまにピタリとシーイングが落ち着く事もあるのですが、サブリミナルコントロールのような非常に短い時間のことですので、「ジフラクションリングがどーだ」とかいう境地に達していません。大気が安定する夏の時期にもう一度試してみたいものです。

気になる色収差については、シリウスそのものは見事な白色で、サブスコープで見る黄色みがかった色と比較すると実に清涼感に溢れています。これぞEDです。

ただし、シリウスのような明るい星では星の周囲に青いにじみ(ハロー)が出て、倍率を上げる毎に気になるようになってきます。特にLV4mmで見るシリウスは青にじみが激しくなり、ちょっとこれじゃなぁ…と思います。近接した重星の観測にはあまり向きません。さらに、星を中心に視野の約5分の1程度薄雲がかかったようにぼんやりとした光の散乱が発生し、ちょっとばかりコントラストが悪くなります。おそらく筒内の迷光処理の関係でしょう。植毛紙対策はやっぱり必要かいな?

 

▼金星では・・・

3月の終わりに金星を久しぶりに見てみました。使うアイピースはLV6mmで約110倍。金星ほどの明るい星になると青いにじみは顕著です。そのため、心なしか金色に青が混ざった不思議な色合いに見えます。

 

▼木星では・・・

ED115Sを買って一番見たり撮ったりしたのはこの木星です。LV6mm110倍からが実用的な倍率で、空の状態が良ければ170倍ぐらいまでは十分OK。おそらく200倍オーバーでも像の崩れは少ないと思われます。多分一番屈折らしさ(コントラストが高い、像が落ち着いている)を実感する対象です。

シーイングがピタッと止まったときの木星の模様は驚くほど細部まで見えました。天文始めて20数年、大赤斑近くの複雑な模様や、木星の衛星が木星の縁にかかったり、縁から抜け出ようとする瞬間を見たのは初めてでした。もちろん、木星の表面に衛星の影が投影される様子を見たのも初めてで、「これこそEDの像だ!!」と心で叫んでしまいました。

なお、写真で見るような色彩豊かな木星を10cmクラスで見るとなると、これは相当空の状態が良くないと難しく、総じて黄土色(本体)と茶色(縞模様)の2トーン色です。あっと、木星の縁にイガイガのように青いにじみが出るので3色か?

 

▼土星では・・・

これも木星と同様、そのコントラストの高さと落ち着きある像で良く見えます。鋭さや色彩の爽快感に少し欠けるかな?という気がしますが、青いにじみも土星程度の暗い輝度比の対象になると目立たなくなり、結構な倍率でもストレスなく見ることが出来ました。空の状態の良いときは170倍かけても型くずれせず、細部が見やすくなって十分実用的な倍率です。

自分と同じ望遠鏡を所持している「旦那さん」によれば、土星の環のうち一番内側にある半透明状のC環も見えたとのことですが、残念ながら自分はまだそんな状態の良い夜空に恵まれていません。今年秋ぐらいからの土星シーズンに身を捧げたいと思います。

実は、自分がC環を見たのはこれまでまだ一度しかなく、その時はC環やカッシニの隙間だけでなく、「エンケの隙間」に、色彩豊かな本体と、驚異的な土星を見ることができました。当時10cmの反射望遠鏡使って見えたので、今のED115Sでも十分可能性はあると思います。もしあのときのシーイングに巡り会えたら、多分恐るべき写真が撮れるに違いありません。次のシーズンが楽しみです。

 

▼星雲・星団では・・・

よく一般的に言われることですが、淡い星雲や星団ではコントラスト勝負ではなく、光量(=口径)が物を言います。もちろんコントラストが高ければバックが引き締まってそれだけ淡い対象も見やすくなるのでしょうが、これだけは、EDと言えどもやはり10cmクラスの見え味で、20cmのVC200Lには及ばないです。

 

▼一般的には・・・

とにかくピントの山がはっきりしているので「どこがピントかなぁ〜」とドローチューブを延々行ったり来たりさせることがなく、すっきり明快。多分短焦点の望遠鏡の恩恵でしょうね。これだけピント幅が鋭いのであれば、撮影時もピント合わせに苦労しないでしょう・・・。すんません、苦労してます・・・。多分カメラのファインダーのせいだと思います(責任転嫁か?)。

         

 

<写真性能>

 

よもや、この撮影編に入ることが出来ようとは・・・。銀塩カメラで直焦撮影に挑戦したときは、果たしていつになったら書けるんだろうと思うような出来でしたが、まさにデジタル一眼レフさまさまです。

とりあえず、これまでに撮影した直焦撮影の結果を元にED115Sの写真性能がどんな案配なのかを書いてみたいと思います。

使用機材はED115S+EOS Kiss−Dの組み合わせで、デジカメ側設定はJPEGの一番画質が良いやつ、ホワイトバランスはオートにしています。組み合わせる機材の仕様によって評価もまちまちだとは思いますが、参考程度にごらん頂ければと思います。

 

色の付き具合については、色収差の補正は良好な部類に入ると思います。明るい星(写真では大体7等星ぐらい?)には青いハロが乗っかります。眼視で見ても2等星ぐらいの星だとにじみが分かるのですから、当然と言えば当然かと。これをヨシとするかどうかは個人の好みによるところが大きいと思います。

当初、自分はにじみのないすっきりした星像が一番と思っていましたが、散開星団なんかを撮ると、青にじみのおかげでアクセントがつくので、最近では「うーん、青いにじみもなかなかいい味を出しているじゃない?」と思えるようになってきました。

 

 

散開星団M7の場合

 

天の川の中に埋もれた星団です。星団を構成する星々が明るいため、青いにじみが見られます。

これにより、星団の様子が強調された形となって、より「星の集まり」らしい格好になるという、妙な副産物が得られます。

 

 

 

写真中央部の星像をチェックすると、像は若干甘いように感じます。これも眼視で見たときから薄々感じてはいたことで、少しボテッとして針を突き刺したような像とまでは行かないようです。もしかしたら、球面収差が残っているのかもしれません。球面収差とは簡単に言えば光が1点に集まらない収差のことで、これがあるとピントが甘くなる傾向にあります。単純にピントの問題かもしれませんので、この辺はもう少し頑張ってみたいと思います。

 

写真の周辺部の星像は、星がくさび状に変形しているのが分かります。どうも非点収差(点にならず、楕円状に像が伸びたりする収差)かコマ収差と思われます。ED115SのベースとなるED114SSなど「SS」シリーズは、接眼部の手前にフラットナーを配置して写真性能の向上を図っているということですが、おそらく周辺像の改善にこのフラットナーが効いてくるのではないかと思います。

写真を見る限りでは、周辺部の収差が目立ってくるのは写野の4分3ぐらいからですので、対象天体を中央に持ってきて撮影し、画像処理の段階で中央トリミングをすれば問題ありません。逆に、互いに離れた天体を一緒の構図で撮影しようと、写野の端っこギリギリに持ってくる場合は、星像の歪みの影響は覚悟しておく必要があります。

 

 

周辺部

 

 

中央から3分の2辺り

 

 

中央部

 

 

 

M22を例にとって星像チェックしてみました。

大きい円は、星像の歪みが目立ってくる境界線を示したものです。主観的なところもありますが、この円よりも内側では星の変形がまぁ許容できる範囲にあると思います。

四角で囲んだ部分は、一番上の拡大像の範囲を示しています。拡大してみると、周辺部は星の像が変形して、ピントもぼけているのが分かると思います。

 

 

 

   

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