Whitey DOB25 インプレッション

 

 

 

 

< は じ め に >

 

WHITEY DOBは、国際光器から販売されているドブソニアンです。15cm20cm25cmの3モデルがリリースされていて、いずれもかなり安い価格設定になっています。

今回、「赤道儀に乗せられる最大の口径を」ということで、自分の力量も顧みず25cmモデル(以下WB25)を購入しました。以下、使用感や見え味、あと可能であれば写真性能について、覚書程度につづってみようかと思います。

 

梱包・外観編     2006.09.23  

組み立て編      2006.09.27                                

取り扱い編      2007.9.22       【New】

見え味偏       2006.11.14     

惑星撮影編      2007.1.12      

 

 

 

 

< 梱包・外観編 >

 

品物は2006年9月16日に届きました。梱包は架台(手前)と鏡筒本体(奥側)の2つです。鏡筒の箱の上に載っているのはホタロンで、大きさの比較ということで載っけてみました。

望遠鏡の他に、レーザーコリメータや鏡筒バンドも購入しまして、それらは、鏡筒の箱の中に同梱されていました。

架台部の箱はコンパクトに収められていますが(重さはなかなかのもの)、望遠鏡側はかなりのボリュームです。ホタロンの箱と比べると、長さは同じでも奥行きと高さはまるで勝負になりませんでした。

ホタロンを運搬するときは、箱を小脇に抱えて運んでいましたが、WB25は箱ごと持ち運ぶのは実質無理で、鏡筒本体を抱えての運搬となると思います。

 

鏡筒の箱は2重の梱包になっています。外側の箱を開けると、中から白い箱が出てきました。その箱を開梱すると、箱の中一杯に白い鏡筒が横たわっています。

でかい上に重たいので、取り出すのには苦労しました。

 

こちらは鏡筒バンドと、アリ型レールです。

鏡筒バンドは鋳物で出来ていて、写真で見るよりは丈夫に見えますが、25cm鏡筒をホールドするにはかなり細いですね。眼視で楽しむ分には問題ないかと思いますが、もうちょっと幅が欲しいです。それと、アリガタレールと鏡筒バンドの連結はネジ1本。これも25cmクラスとなると少々心許ない感じがします(それ以前に、アリガタレールそのものが心許ないわけですが)。

内側に張られてあるフェルトはかなり薄く、鏡筒を回転しているうちにすり切れてしまいそう。もっとも、フェルトが厚いと鏡筒が十分固定できないデメリットが生じてくるので、ここは一長一短でしょうか。

 

バンドを取り付けて、鏡筒を直置きした状態です。

鏡筒はスチール製ということですので、極端にヘニャヘニャしていませんが、十分な強度があるわけでもなく、ちょっと力を込めると、ペコペコッと音がします。でも、強度を高めると重くなってしまい、ドブソニアン本来の用途から外れてしまいますし、EM200にも載せられなくなってしまいます。この辺は割り切りる必要があるのでしょう。

眼視では鏡筒を振り回す頻度が多いから、撓みは気にならないかもしれませんが、撮影する場合は、前後に重量物が載って、長時間その状態を保持しなければならないため、撓みの影響が出てくる可能性はあります。撮影機としてディープに使うならば、各部の補強は必須かもしれません。

 

ところで、持ち運びの要領ですが、自分の場合は、右手で主鏡セルの枠を掴み、左でアリ型レールをグリップして、右肩に鏡筒を載せるような形で持ち運んでいます。ドブソニアン架台に載せるときは、これで何とかなりますが、赤道儀に載せる場合は、ちょっと難儀します(これは取り扱い編で後ほど)。

 

鏡筒バンドは取り付けた後に思わぬ誤算が発生しました。

アリガタレールが架台の耳軸と干渉して、筒の回転が制限されるのです。これはドブソニアン架台に載せる場合は関係ないのですが、赤道儀に載せて鏡筒を振り回すときに問題になります。ニュートン反射は、接眼部が鏡筒の横になる関係上、向ける方角によって、鏡筒を回転させないといけないわけです。なので、このように回転が制限されると、見る方角によっては、無理な体勢を強いられかねません。

あと、アリガタレールの幅もWB25には細すぎるんじゃないか、と。赤道儀に載せた場合、望遠鏡の向きによっては、レールがグニャッといかないか、と。あるいは、バンドにかかる単位面積当たりの荷重が大きくなって、バンドが割れるんじゃないか、と(いろんな心配事が頭をよぎります。

いずれも、実際に赤道儀に載せてからチェックする必要があります。

 

鏡筒の内部の黒塗りは、ムラもなく均一に仕上がっていて、ホタロンと同じような感じです。ただ、コントラストを上げるなら植毛紙を張った方がいいでしょう。

コーチさんが紹介してくれたWB25のユーザーさんのサイトでは、耳軸の取り付けネジが内部に突き出ているのを気にされていました。なるほど、光路上への影響はなさそうですが、結構突き出ていて、撮影時に影響があるのかないのか興味があるところです。もちろん、眼視で使う分には影響は感じられないと思います。

あと、ドローチューブは銀梨地ライクな表面で、ギラギラしてます。こっちの乱反射対策も必要かもしれません。

斜鏡は、4本の羽根型スパイダーに吊られた斜鏡支持器に接着剤で直付けされているようです。これって、接着が剥がれる心配ないんですかね?縦置きの状態で外れてしまうと、主鏡もアウトになってしまうんですが・・・。

このあたり、コストダウンが図られているのをシミジミと実感してしまいます。

斜鏡は、反射面のみメッキがされていて、その他の面はもろガラス面です。黒塗りもされていません。側面なんかは光の乱反射によるコントラスト低下に一役買いそう。メーカーにしてみれば、メッキ部に塗料が流れて付着する可能性もあり、クレーム対象になりかねませんから、それを避けたかったのかもしれません(考えすぎ?)。

斜鏡の光軸調整は、3カ所の調整ネジで行います。ネジは小さい六角レンチでやるようですが、今回それに対応するようなレンチは付属していませんでした。あれっ??

WB25を買うに当たって、心配だったのが主鏡セルの構造でした。国際光器の紹介サイトには、主鏡セルの写真が無く、どんな構造になっているのか分かりませんでした。実際は鏡がむき出しになっているシースルーになっていて、主鏡の温度順応を早める構造になっていました。光軸修正ネジはセルの余長部に収まっていて、鏡筒を縦置きにしてもネジが直接床に付くことはなさそうです。ネジが地べたに付くと、光軸が狂う原因となる他、ネジも痛めてしまいますから、このような構造だと安心できます。

筒先から鏡を見ると、鏡は6カ所の主鏡抑えゴム(?)で固定されていました。安価な鏡筒の一般的な固定方法ですが、明るい星を撮影すると、光条のくぼみが6カ所出ることが予想されます。天体写真にこだわりを持つ方にとっては、要改造項目の1つになるでしょう。

ドローチューブは金属製で、繰り出しもスムーズかつ適度な固さがありました。想像していたよりもずっといい出来です。つまみ部にはゴムリングが張ってあって、指に吸い付くようなグリップ感があります。冬場には重宝しそう。

ドローチューブは、標準では、アダプターリングに2インチ接続リングか、31.7mm接続リングを差し込んで、アイピースを付ける構成になっています。

アダプターリングは取り外し可能で、外せばφ60mmのメスネジが切ってあります。これはビクセンのドローチューブと互換性があり、いずれビクセンのアダプター類に変更しようと考えています。

ただ、ドローチューブの繰り出し量は40mmちょっと。何という懐の狭さよ・・・。ニュートン反射の宿命ではありますが、ボーグのカメラ回転装置を付けようという目論みも、ピントが出せない結果に終わるかもしれません。確認するのが怖いなぁ・・・。

 

 

 

 

 

< 組み立て編 >

 

では、架台の組み立てに入ります。箱から部品を出すと、化粧板みたいな架台部品と、ネジなどの組立部品や工具が入っています。

取説の内訳表と照合したところでは、細かいところで実際と異なる点がありました。まず、ネジ穴が違っているものがありました。取説ではプラスのネジ穴だったのに、実際は六角穴だったり、工具が1本多かったり、組立段階では、取付ネジが記載されていなくて、「何でネジが余るんだろう?」と頭をひねった場面もありました。組立上影響を与えるものではありませんが、細かい点での改訂が望まれます。

組み立ての流れとしては、

  @側板と前板をくっつける。

  A@に底板をくっつけて、鏡筒台座を作る。

  BAとベース板をボルトで連結して、ほぼドブ架台としてはほぼ出来上がりです。

  Cあとは、耳軸受け用のベアリング、ベース板の足、キャリーハンドル、アイピース

ホルダを付ければ完成です。

全てネジ止め、ボルト付けのみで進めることが出来ますので、プラモデルよりも簡単です(ただし、プラスドライバーは大きめのものを自分で用意する必要があります。添付品はネジ穴に対して小さすぎ)。

 

パネル間の合わせ精度は良く、微妙な位置ズレが発生するような事態にはなりませんでしたが、苦言を2つほど。1つは、ネジ頭が完全に破損して使えないネジがありました。もう1つは、台座に少し「欠け」がありました。いずれもクレームされてもおかしくないものです。大量生産でコストを下げるとはいえ、もうちょっと品質チェックは強化してほしいものです。

 

*左の写真では、アイピースホルダは付けていません。

 

 

 

架台が出来ましたので、早速鏡筒を載せてみます。搭載も至ってシンプルで、軸受けベアリングに耳軸を載せるだけです。載せた後は、重いアイピースを付けたときに望遠鏡がおじぎしないよう、テンション棒を両サイドに取り付けます。

縦方向、回転方向の動きはスムーズで、ガタツキはありませんでした。

ところで望遠鏡を真上に動かしすぎると、主鏡セルがフロントパネルに当たってしまうのは要注意です。よりにもよって、キャリーハンドルを取り付けるナットに当たります。衝撃次第ではセルにキズが入りますし、光軸ズレの原因にもなります。自分は、手元にあったゴム板をつけて対策しましたが、これはメーカーから標準で供給した方がいいと思います。

 

 

左の写真のように、鏡筒バンドやアリガタレールを付けた状態でも架台に載せられることが分かります。ドブソニアン架台からEM200への載せ替えが比較的簡単にできそうです。

 

光軸についての苦労話は、観望大作戦2の「光軸調整大さ・・・苦戦」で語っていますので、詳細はそちらを見て頂くこととして、調整していて「ここは改善してほしいなぁ」と思った点だけを紹介します。

1つは、外観編でも触れましたが斜鏡調整用の六角レンチが入っていませんでした。組み立て工具一式入っていながら、調整器具がないのは頂けません。そんなにコストに響くわけではないので、是非つけてほしいと思います。

次に、主鏡調整のネジ。主鏡の傾きは、セル後部の3組の押し引きネジを使います。ネジはつまみも大きく握りやすいのですが、微調整をするためには、できればドライバーで調整できるようネジ穴がほしいと思います。引きネジ側にはマイナスドライバーで回せるようネジ穴があるんですけどね。何度か回しているウチに、つまみのギザギザで自分のデリケートな(?)指は皮がむけてしまいました。

 

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