<初めに…>

 

本レポートは事実に極力基づいて作成されていますが、一部おひねりを狙って誇大表現、もしくは真実とはかけ離れた表現をしている箇所が随所に散りばめられています。

また自分の主観がかなりありますのでその点は予めご了承の上フランクな気分で本編にお進み下さい(…Y−da記)。

 

 

<これより本編>

 

アナログ会…、これはデジカメやデジタルビデオで天体撮影をする、いわゆるデジタル派天文ファンが多くなってきた中、銀塩写真ににこだわりを持つ人たちによって結成されたグループです。会員数2名と、活動しているんかどうか分からないグループではありますが、とりあえず結成会を開くべきであろうと言うことで、11月1日大分県は久住町、沢水キャンプ場で盛大に行われました。

参加者は、アナログ会の代表オクヒデ君、代表補佐ゆっこんさんの2名に、アナタル派(アナログからデジタルへ移行しつつある人)の船長っ、デジタグ派(ほとんどデジタル中心でありながらちょこっとアナログをかじりたい人)の不肖Y−da、アルコル派かじやんさんの3名が特別参加して計5名。

自分としては、遠征しての観測会というのは初めてと言うこともありましたので、気合いが入らないわけがありません。ToUcamでの土星撮影を皮切りに長らくご無沙汰していた直焦撮影も時間の許す限りやってみるか、と2週間前からイメージトレーニング&機材セッティングを重ねて参りました。

不吉なことにアナログ会が開催される1週間前になって3連休は出張になる恐れが降って涌いてきたものの、前日になって出張先のスケジュールが変更となり、結果として出張は取り止め。アナログ会ドタキャンの危機は免れました。うっしゃ!!

 

アナログ会当日。17時現地集合を目指して船長っとオクヒデ君は12時頃出発し、自分は所用を済ませたり、アナログ会への献上品も見繕っていた関係上、船長っから遅れること2時間半後の出発となりました。

その頃ゆっこんさんたちはと言いますと、かの地の天気が思わしくないため、ひょっとしたら中止になるのではないかと朝からずっと船長っのBBSをチェックしていたそうです。そしたら昼前になって船長っが「今から出発」とBBSに書き込んでいたので、大慌てで準備に入ったとか。

たしかに天気の方はアナログ会を実行すべきかどうか迷うほどすぐれない状態。予報では、夕方から曇って所によっては夜半前に雨が降る所もあるという事でしたが、出発するときには雨がぽつぽつ来始めていました。何と言うことでしょう、せっかく愛車エアトレックを朝からピカピカに仕上げたというのに!!

大分自動車道に入っても天候は回復するような気配がなく、湯布院IC近くから臨む由布岳も見事なまでに傘をかぶっていました。このままでは単なる飲み比べの会になる可能性が大。そしてそうなった場合、正直申しましてゆっこんさん、かじやんさんには勝てる気がいたしません。もし勝負を挑まれたらどうしよう…、そんな心配が脳裏をかすめるとき思わず睡眠薬を探す自分の姿があったのでした。あぁ、情けない。勝負を挑まれたら正々堂々と受けて花と散っていくことこそ男気というものではありませんか。ここはひとつ二日酔いに効く薬を買っていざというときに備えておくべきでしょう。

 

二日酔いに効く薬を懐に万全の備えを完了した自分は、水分峠よりやまなみハイウェイを経由して一路キャンプ場を目指します。

一方、船長ったちは日田ICから国道を使ってキャンプ場へと向かいました。途中日田ビール工場でビールとか焼酎を仕入れ、カメラ屋でフィルムを調達し、小国から黒川を通って17時半頃キャンプ場に到着し、既にスタンバイしていたゆっこんさん一行と落ち合ったようです。

自分は18時半頃に到着。キャンプ場というと芝生の生い茂った野原とその周辺を囲む林をイメージしていましたが、彼らが陣取っていたのは予想を覆して道路に面した砂利エリアでした。一瞬「へぇー、こんなところでBBQする人もいるんだなぁ」と不思議がっていたら、実は船長ったちだったという…。話によれば最初キャンプ場で落ち合ったものの、場所を移動したとのこと。理由は不明ですが、多分自分が道に迷わないよう分かりやすいところに陣取ろうという気配りだったのかもしれません。

車を降りるとまず歓迎の言葉をいただくかと思いきや、船長っから開口一番「お前、クルマ洗わんかった?」

 

いきなり臓腑をえぐる質問です。しかし、ここでうろたえてはいけません。常にクールに物事を判断し、最適な回答をしなければならないのです。

「ふっ、船長っには見えないか?あのピカピカにきらめいている我が愛車を」

「やっぱりお前かぁぁぁぁ!!お前の洗車が今日のこの天気を呼んだのかぁぁぁぁ!!」

いやいやいやいや、これは逆療法なんだって。そう、例えば痛めた箇所をわざと酷使して耐久力を上げることで治療するとか、雨が降りそうな時にわざと傘を持っていけば晴れたとか。そうです、マイナス×マイナスはプラスになったりするのです。たしかに晴れた日に洗車をすれば雨を降らせてしまう自分ですが、既に曇った状態で洗車すれば晴れてくるのではないかと、そう思ったわけです。←力説

無駄な抵抗とは知りつつとりあえず言ってみましたが、案の定さっぱり聞き入れてもらえませんでした。どうやら、今日の天候不順はY−daの洗車ということでコモンセンスを取っちゃったようです。トホホ。

乾杯の儀

おでんを頬張るオクヒデ先生「ん!うまい!!」

お寿司を食べるゆっこんさんとかじやんさん

 

とにもかくにも、これで全員集合しましたのでいよいよアナログ会開催!!代表であるオクヒデ先生の挨拶を持って乾杯し、賑やかに始まりました。すでにテーブルにはかじやんさん自慢のおでんが準備されていて、美味しそうな香りと温かい湯気を立てています。ここで、ゆっこんさんは「気の利く女性」らしくみんながおでんを取りやすいようにと、なんと自らライトを頭に取り付けて(まさにヘッドライト)おでんを照らし続けています。その姿勢、斜め30度。鍛えられています。是非そのままずっと照らして欲しいと思ってしばらくおでんをつつくのを渋っていましたが、即 「Y−daさん、はよ取りなさい!」とたしなめられてしまいました。スイマセン。

本来であれば、自己紹介から始まってレディース&ヂェントゥルメンらしく粛々とした会話が進むはずなのですが、のっけからトップギア。もしかして自分が来る頃には皆さんできあがっていましたか?と考えてもおかしくないような飛ばしぶりです。

例えばサバ読み大会。ゆっこんさん、かじやんさんは28歳、船長っ18歳。オクヒデ先生29歳(でしたっけ?)。もうすぐ23歳を標榜するY−daはなぜか18歳の船長っとは高校時代の同級生、おまけに最年長であるはずのオクヒデ先生はどういうわけか船長っの後輩…。もはやパラドックスの世界です。皆さんどこかで時を置き忘れていませんか?

例えばY−daのファッションショー(?)。ちょっと寒くなってきたのでズボンをもう1枚重ねるべくスウェットパンツを履こうとしたのですが、ゆっこんさんから「まだ寒くないやん」とむりやり脱がされ(イヤン)、首に巻かれてマフラーに早変わり。ちょっぴり匂うマフラー姿のY−daに皆さん喜んで頂けたようです。

そして例えばムジナの世界。皆さん中学校の英語の教科書に「A MUJINA」があったの知ってますかね?あのMUJINAの伝説の冒頭「Long long ago…(昔々)」が出てきますが、これを自分の輪郭にかけてくるわけです。すなわち「ago = 顎」と。ふっ、忘れかけていた忌まわしき思い出再び!!すっかりウケてしまったゆっこんさんが大声で「Long long ago!!」とのたまえば、笑いながら椅子から転げ落ちようとするかじやんさん。まっ、いいです。まだ握られないだけ…。

 

ばてている船長っ。実は前日熱があったとか

甘酒でちょっと一息

晴れてきた!望遠鏡のセッティングに入らないと。

 

ちなみに、本来の目的のはずの星空の方は全くで時折小雨まで降ってくる始末だったのですが、12時前になって北の方角以外がすっきりと晴れてきました。ここぞとばかりに船長っ、オクヒデ先生、ゆっこんさん、Y−daとも自慢の愛機をあわただしくセッティングします。かじやんさん…寝てます。

8月に行ったミッション赤まりもでは、オクヒデ先生は望遠鏡のセッティング(特に架台の水平だし)に手間取っていましたが、やはりここでも苦労しておりました。オクヒデ号は斜面の場所だと水平出しが難しいという弱点が改めて露見。しかし船長っの野性的な技術でその弱点を解消したようです。今後はこの技術が生かされることでしょう。

ゆっこんさん号は、赤道儀の据え付け途中で突然悲鳴が!!何事かと思ったら、三脚の開き止めステーのヒンジ部が壊れたんだそうです。完全にポッキリ逝ってるのでこの場での修復は出来ませんが、一応観測自体はできないことはないのでそのまま据え付けを継続していました。ところが、北の方角には雲がたれ込めていてまったく北極星が見えません。

そう、極軸のセッティングが出来ないのです。仕方ないので北極星が出るまで、砂利地面の上で横になって…そのまま寝ちゃいました。痛くないのか?このお方は??

しかもピクリともしないのです。起きてきたかじやんさんが「ゆっこん、大丈夫?」と声をかけてもピクリともしないのです。

少しばかり心配になったかじやんさん、少し声高に「おーーい、ゆっこん、大丈夫??」とかけたら、かろうじて寝ぼけ声で応えています。生きていました。呆れたかじやんさんですが、それでもよく眠れるようにとマットを引いてゆっこんさんをマットに移します。優しいですね、かじやんさん。

しかし、その優しさは実はゆっこんさんには通じていませんでした。翌朝、このことを話題に上げたら「いつの間にかマットを引いて寝ていたんだよねー、記憶にないんだけど」とゆっこんさん。すかさず空手チョップを入れんがばかりの勢いで「ワタシが引いてあげたんよ!!」と突っ込み入れるかじやんさん。何というシビレル2人!

 

オラもこれからセッティングでし!

バテましたでし…。

ZZZZ…

 

話が横にそれましたが、とりもなおさずほとんどの望遠鏡がセッティングを終え(ゆっこんさんは赤道儀を出して寝たまま)あとは観望や撮影に入るだけなのですが、またまた雲行きが怪しくなってきました。大丈夫かなぁと思うやいなやポツポツ降り始めてきたではないですか。しかも、「ありゃちょっと降ってきたな」と言い終わらないうちに雨足はひどくなり、あっという間にザーザー降りに。あまりの雨足の早さに望遠鏡を積み込むのが精一杯で、Y−daが誇るEM−200はビニールを被せられたまま野ざらし状態。あぁぁ、電装系統は大丈夫かな…。しかし、これはまだいい方だったのかもしれません。オクヒデ号はブルーシートをかけられているとは言え、望遠鏡も載せられたフルセット野ざらしなのです。魅惑的な細い三脚はまさに膝上10cmまでしかシートがかかっておらず、その下は雨にさらされています。まぁ、三脚だから多少は濡れてもいいのですけど。

雨はしばらくすると止みましたが、自分は少し眠気を催してきたのでホテルエアトレックで仮眠を取ることにしました。外では、オクヒデ君とゆっこんさんがアナログ会の今後について熱く語っているようですが、何を話しているのかまでは分からないままちょっぴり深い眠りに落ちました。

小1時間ほど眠っていたでしょうか。外では相変わらず2人が熱い論議を続けているようです。外は曇っているとは言え雨は降っていないようですし、自分も末席に加えて頂くことにしました。すると、何と言うことでしょう!!また雨が降ってきたではないですか。

またまた一時避難して、仕方なくホテルエアトレックで2度目の仮眠を取ることにしました。しかし、それと同時に雨も小降りになり今度はオクヒデ君、ゆっこんさんにかじやんさんが加わって、何やら密会を重ねていたようです。多分、物議を醸し出しているミラーボールはここで出たんじゃないですか?オクヒデ君。

今度の仮眠は深く、目を覚ましたときにはいつの間にか密会メンバーが船長っ、ゆっこんさん、かじやんさんに変わっていました。しかも、空には木星や土星が輝いているじゃないですか。思わずホテルエアトレックから顔をのぞかせた自分に船長っは「オー、今見えとるぞ。早よ、お前の望遠鏡出さんね。もう俺の望遠鏡は直したけん。」と言うのです。

正直言って、今出しても撮影までは出来そうにないので自分も直そうかなと思いました。しかし久住の土星や木星には大変興味がありましたので、ちょっとばかりの観望会を開くべく望遠鏡をセット。これが大きな誤りでした。またまたポツポツ来たかと思ったら一気にどしゃ降りになったではありませんか!!あまりの早さに望遠鏡を外す暇もなく、オクヒデ号と同様フルセット野ざらしになってしまいました。かけたビニールも、これまたオクヒデ号同様膝上10cm。三脚のほとんどは雨ざらしになってしまいました。

船長っ曰く 「あー、Y−daが望遠鏡出したけん雨がふってきたとバイ。お前正真正銘の雨神さまやなぁ…」と。言うか?そう言うか。あれ程「出せ」と言っておきながら。

それにしても何てスリリングでエキサイティングな観望会なんでしょう。例えEM−200が壊れようと、望遠鏡が雨量計になったとしても悔いはありません。

 

3度目の仮眠から目覚めたとき、すっかり辺りは明るくなり阿蘇外輪山の山並みが雲間にうっすら見えてちょっと幻想的な光景が広がっていました。雨にさらされたY−da機とオクヒデ号が雨露に濡れて、あたかも忘れ去られた遺跡のように立ちつくしています。幸い主要な部分には水は入っておらず、雨量計にならずに済みましたが…。

結局、今回のアナログ会は星はほとんど見ることなく、入れ替わり立ち替わりのトークショーに終始したようなものでしたが、でもうち解けた雰囲気で場が盛り上がったのは何よりでした。特に、トーキョー育ちの自分はクールで話しづらいという印象をいつも持たれますので(?)、会話に参加できるかものすごく不安でしたが…問題なしでした。

今度はいつやるかまだ分からないですけど、次見るときは是非久住の満天の星空を拝見したいものです。多分これは今回参加した全員の共通の願いでしょう。

 

キャンプ場から阿蘇方面を

こちらはオクヒデ先生の夜明け…と言ったところでしょうか

 

 

いやー朝のコーヒーは格別ですバイ

ミッション完了!!次もまた集まりましょう

 

 

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