クリスマス観望会
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【再び船長っの場所へ】
2006年もいよいよ押し迫ってきましたが、今年1年を総括する意味でも12月の新月期間には出張りたいものです。そんな願いが通じてか21日から24日までは元々曇り/雨予報だったのが晴れ予報に様変わりしてしまいました。「相変わらず週間天気はアテにならねぇなぁ」とにやけ顔で呟きながら、22日金曜日にターゲットを絞って準備を進めます。この日は保育園の餅つき大会で会社は終日休暇ですので、クルマへの積込は日中に行えます(イオが寝たら即出撃可)。しかも、イオに一足早くクリスマスプレゼントを買ってやって機嫌を損ねないよう奸計を巡らす予定ですので、曇る要素が見当たりません。これはすなわち長い夜を思う存分楽しめることにつながります。いや全くクリスマスを前に粋な計らいをしてくれるじゃないですか。 今年最後の出張りは、長い夜を有効に利用してホタロンでちょこちょこ撮影を行ったあと、WB25で土星撮影に興じるという、前々回なし得なかったマルチ観望で締めくくりたいと思います。 ということで、今回はどこで見ましょうか。前回は新しく見つけた観望場所(命名:新天地)で観望し、なかなかいいロケーションだと分かったのですが、やはり船長っの場所は捨てがたいモノがあります。ただ東西南北4方向あるルートのうち、西側ルートと南側ルートが崖崩れで行けません。 |
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西側ルートの惨状 |
南側ルートの悲劇 |
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残るは北と東の2つが残りますが、北側ルートはけもの道同然で藪コギ必至(船長っ談)らしいので、これはパス。必然的に東側ルートになってしまいます。 果たして東の登山道は無事なのか、例によってスクーターを駆って調査してきました。 その結果、途中で進入禁止のゲートがあるものの、ただ置いてあるだけの代物なので簡単にどけることができ、そこを抜ければ「船長っの場所」まで行けることが分かりました。道路の状態(道幅とか凸凹具合とか)もよく、山登り区間の距離は西側の半分と、思った以上にアクセスが良好です。これを逃す手はありません。クリスマス観望会は7ヶ月ぶりに「船長っの場所」で決定です。 |
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【道を間違えカイロを忘れ】
さて22日当日、昼間の餅つきで体中筋肉痛に襲われながらも21時半に出発しました。少しでも移動時間を短縮するためバイパスを利用してショートカットを図ります。が、これが大失敗。 出口を間違えて、一度も通ったことのない道へ出てしまいました 最初はいつもの道と似たような風景だったので訝りながらも車を進めたのですが、途中から明らかに違う景色に変わってしまいました。気付いたときには道幅が狭くなっていて、切り返しする場所を求めて更に車を進めないといけず、大幅な時間ロス。遅れを挽回しようにも、夜に通るのは初めてづくしの道なのでスピードが上がりません。予定時間10時半から30分遅れて船長っの場所に到着しました。 到着後は早速星空チェック。透明度が高いおかげで微光星がよく見えています。前回の「新天地」も良かった方ですが、夜空の抜けは「船長っの場所」にやや分があるような気がします。 気になる風の方はほとんどなく、こっちの条件も上々。体感温度が下がる心配もないですし、撮影中ガイド星がタコ踊りするような事態は避けられそうです。 ただ霜には要注意。湿度が低いとはいっても、これから朝方にかけて気温が低くなってきますので、ホタロンのレンズやバイパーの補正板が曇ってしまう可能性があります。機材をセッティングした後、曇り防止のためにカイロを出そうとしたら・・・ カイロありませんよ?? あーーっ、そうだった。前回の観望会の後に別の場所に置きっぱなしにしていたのでした。準備にじっくり時間をかけてこの体たらくとは情けないことです。ま、まぁ、これまでの経験上カイロを点火しても知らぬうちに失火して、気付いたときには冷え冷え状態になっていると言う、曇り防止には全く効果無しの代物なので、あってもなくても結果は同じかも知れません。・・・いえ、決して負け惜しみではないです。 しかたないので、レンズの曇りにビクビクしながらいざ本番に入ることにしました。 |
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【電源トラブル再び】
時刻は日付が変わる0時前に撮影に入りました。最初のターゲットは恒例になりつつあるオリオン星雲です。今日は空が黒く抜けているのでコントラストの良い写真が期待できます。 船長っオリジナルタイマーコントローラを5分×4枚設定にして(相変わらず2進設定には悩みます。日頃のトレーニングが必要?)、撮影開始。今年最後となる出張りなので入魂レベルを最大にして、ガイドに集中します。 ・・・・おっ今日は星のブレが少ないぞ・・・・・ ・・・・ピリオディック来たー!シュパッと修正。いい調子・・・・・ ・・・・星が北方向にずれるのは気にしない気にしない・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(途中からガイドに専念して言葉なし) ・・・・あれ?まだ5分経たないのか?いやいや集中集中・・・・ ・・・・何か今日の5分はえらく長いな?・・・・・ ・・・・ちょっと。いくら何でも5分以上経ってるやろう?・・・・ そう、シャッターが下りるのを待てど暮らせど、「カシャっ」という音が聞こえてこないのでした。こりゃ明らかにおかしいと思い、ピリオディックモーションが落ち着いた頃を見計らって時計を見てみますと、 10分近く経過しています! うはーっ!?と思ったちょうどその時に「カシャッ」とシャッターが下りました。ところが今度は撮影後に画面に表示されるはずの撮影結果が出ません。 どうもカメラの電池が早々と切れたようです(ウソだろ?)。 電池を交換後、先ほど撮った結果が記録されているか調べてみました。おお!露出オーバーも甚だしい。一面真っ白でボツです。 気分を落ち着け、再度挑戦。コントローラのボタンを押してシャッターが切れるのを待ちます・・・が、今度は切れませんよ?ボタンを押すとランプが点くことから、カメラに対して制御信号は出ているようですが、カメラがウンともスンとも反応しません。 もしかしてコントローラの電池も切れたか? またまた中断して電池再交換です。交換後シャッターテストをすると今度はちゃんと動作しました。前々回に引き続き電源関係にはとんと縁がありません。 ともかく気を取り直して再々挑戦です。シャッターテストよし、露出設定よし、撮影枚数よし、センサーの軸出しよし、いざ撮影開始です。 最初の10分撮影が効いたのか、5分経つのが早いこと早いこと。思ったよりもスムーズに撮影が進みました。 |
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M42(オリオン星雲:オリオン座) 撮影日: 2006年12月23日 00時20〜00時36分 撮影機材: PH130SS(レデューサ併用)+EM200 EOS
Kiss-Dで直焦撮影(ISO800設定) 露出: 各5分 3枚をコンポジット 前回よりもガイドがうまくいって、星の流れ具合が少なくてすみ ました。 ピントもまずまずでした。 |
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オリオン星雲を(多分)滞りなく終了したら、次はふたご座の散開星団M35に移ります。レデューサーを外してシリウスで再度ピントチェックし、M35を構図に入れてあれこれと準備した後さぁ本番。・・・と、 カメラが反応しません。 はぁ?・・・ステータス画面を見てみると、電池残量0になっています。たった40分足らずでなくなったんかい!いくら寒いからってこの消耗の速さはあんまりです。残るはメーカー純正1つで、これが切れれば直焦はゲームオーバー。これはもう「ネタ作り王決定戦リターンズ」のリターンズではないですか。しかも今回は一人芝居ですよ。 レンズ曇りに加えて電池切れにもビクビクしながらM35を撮影します。さらに電池が持っているウチにと、かに座の散開星団M44(プレセペ)とM67を消化します。こまめに電源をOFFして消費を節約したためか、それとも純正品の強みか、さっきの電池よりは持ちましたが、M67を撮った時点で残量0。これから春の系外星雲という美味しいものを前にして打ち止め喰らってしまったのでした。いや、もうね、何と言いますか・・・。 |
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左: M35(ふたご座) 左下: M44(かに座) 下: M67(かに座) |
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M44(かに座) |
M67(かに座) |
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【最後の忘れ物】
幾分消化不良気味ながらもここで直焦撮影を終わって、次に土星の撮影に入ることとします。 土星撮影での今回の目玉は、新たに導入したLVW13mmアイピースの効果です。LVWシリーズは、廉価版のLVと比べてキレのある像が魅力です。これを撮影に使うとすごい写真が撮れるのではないかと考え、先日オークションで大枚はたいて買ったものです。 WB25をEM200に載せて(大分円滑に載せることが出来るようになりました)、まずはLVW3.5mmで眼視確認。3時間近く外気にさらしていたので像は落ち着いていることでしょう・・・。 う〜ん、頻繁に土星がボヤッと肥大して締まりがありません。星の瞬き具合を見ると落ち着いた空のように感じられるのですが、シーイングはそれほど良くないようです。 ちょっと撮影結果が期待できそうにないですが、とりあえずLVW13mmに取り替えてWEBカメラをつなぎ、PCにケーブルを接続してPCを立ち上げます。 メーカーロゴが出た瞬間にバッテリー切れ し、しまったー!ヘタレバッテリーのままだったぁ!! 何と、本番用(へたりが少ない)バッテリーに取り替えるのを忘れて持ってきてしまいました。これでは撮影はおろかPCの立ち上げすら出来ません。ここは禁断の技、クルマのインバータから電源を引いてやりますか?ちなみにクルマの電源はエンジンをかけないといけませんが、やりますか? |
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これを読んで頂いている皆さんの冷たい視線にあえて背を向け、Y−daはやります。エンジンスタート。 と、ここでまたも誤算が。クルマの後ろ側近くに望遠鏡を設置していたので、排気ガスモロかぶりなのです。ただでさえシーイングが悪くてぼけぼけなのに、排気ガス効果で目も当てられない状態になってしまいました。 ここまでやった以上意地で撮影してみましたが、後日画像処理した結果、前回(12月11日)のスタック数554枚を更に下回る494枚しかまともな像が得られませんで、少し強めの処理をかけるとざらめの土星が出来たり。LVW13mmの威力検証は持ち越しとなりました。 トホホの連続です。 |
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【そしてリンガーへ】
結果はどうあれ土星撮影も果たしましたし、一応本日のノルマは終了。この後はWB25で少し星空観望としゃれ込みます。オリオン星雲が傾きかけた時刻だったので少しコントラストは悪かったのですが、LV30mmで見るオリオン星雲は絶句。その昔VC200Lでオリオン星雲を見たときの感動をオーバーラップさせる光景でした。10cmクラスではシミに毛の生えたような系外星雲も形がはっきりしてきて、口径差の威力をマジマジと感じさせられます。 ただ、LV30mmでは視野全体が明るくなり、加えてコマ収差がものすごいですので、25mmクラスの広角アイピースがちょうどいいような気がしました(また物欲?) 観望を一通り楽しんだ4時前、いつものドタバタが効いてきたのか空腹感に襲われました。ここでやっぱりリンガーハットが頭をかすめます。今年最後のクリスマス観望会もネタ満載の、決して満足できる結果にはなりませんでしたが、寒さに頑張った自分にチャンポンをプレゼントしましょうか。リンガーハットのとんがり帽子がサンタクロースの帽子に見えた瞬間、心が幸福感で満たされたのでした。 |
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