ミ ケ トムを慕う誇り高き女王〜

 

 

ある年の冬に、近くの公園に捨てられていたのを我がグレイトマザーが不憫に思い、拾ってきたネコです。拾ってきた当初は持って数日かも、と思えるほど衰弱していたのですが、予想に反してみるみる元気になり、家の中を我が物顔で暴れ回る程やんちゃネコに育ってしまいました。

仔猫の頃のミケは、自分の記憶では目がクリッとしてたいへん愛らしいお顔だったように思えるのですが、成長するごとに目が大仏さんのように細目になってしまいました。

ミケの性格は、当時の言葉で言えば「タカビーな女」。何につけても自分が可愛がられないと気が済まず、外からやってきた野良猫なんぞ家に上がってきた日には

「ちょいと!なに気安くアタシの家にはいってんのよ!」

とばかりにキシャーッと牙をむくのです。とにかく外のネコと交流を図るのが嫌いなねこでしたね。そのおかげか身体だけは歴代のネコの中でも綺麗でした。普通白いところはすぐ汚れて黒ずむのがここら辺りのネコの常道なんですが…。

そしてミケはトムが大好き。いつからなんでしょうねぇ。気づいてみると右の写真のように四六時中べったり寄り添うようになってしまいました。

女王気取りのミケがこうまで慕うとは、トムは実は王様だったか?

犬とネコという種別を越えて、こうして一緒にいる姿を見ると本当に微笑ましいです。

ミケが我が家で生活して10年ちょっと。晩年はハコ座りしてじっとする日が多くなり、年数を重ねるごとにあれだけ美しかった毛がけば立つようになってきました。

そして昨年ひっそりと姿を消し、その後戻ってくることはありませんでした。いなくなる直前、ミケはトムにどのような言葉を残したのでしょうか。

 

トムとミケ

 

 

美しく気高き女王ミケ、そのタカビーぶりと反面トムを慕う一途さは、今でも我が家の語りぐさです。

 

 

                              「何か用?」と言わんがばかりのミケ

 

 

 

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