アサヒ こだわりの極

 

  

「こだわりの極(以下 極)」はセブンイレブンと共同で開発したビールで、当初は関東地区限定で販売されていました。その約1ヶ月後に、全国のセブンイレブンで販売されると言うことをTVの宣伝で知り、丁度床屋で散髪しているときにこのコマーシャルを聞いてしまった自分は、散髪後に最寄りのセブンイレブンで仕入れてきたのでした。

コンビニ発売と言うことで割引は一切なく、350mlで1本250円。6本だと1500円になります。関東限定で悔しい思いをしたこともあり、今回地方でもゲットできるようになった喜びと相まって6本セットを最初手にしましたが、1500円というお値段を見て引いてしまいました。結局3本ほど買うにとどまるこの貧乏性。しょうがないですな。

「極」は原料、製法にこだわる一方で、最近流行りのチルド管理をすることで鮮度のある美味しさを実現し普通のビールよりもプレミアム性を高めています。ただし、他のプレミアムビール(エビスとかまろやか酵母とか)は副原料を含まないオールモルトビールが多いのですが、「極」は副原料として米が使用されているのが特徴です。米を使用したビールで思い出すのが今はもう生産されていないアサヒの「穣三昧」ですが、米のふくよかな味わいがそこはかとなく感じられ、個人的には好きなビールでした。おそらくこの「極」にもその経験が生かされた味になっていることが期待できます。

 

アサヒ こだわりの極(350ml)

 

飲んでみると、口に含んだ瞬間からシュワッとした刺激感とともに苦みが口いっぱいに広がり、その陰から抜け出すような感じで液体がするりと喉の中を通過していきます。淡麗ながら十分にコクのあるふくよかな味わいで、この辺りに米の味が効いているのではないかと思います。飲んだ後にふーっと息をつくと鼻腔の奥までそのふくよかさが余韻を残し、「あぁ、うまいなぁ」と思わずかぶりを振ってしまいました。ビールらしい苦みもしばらく残りますが、このフワッと広がる味わいに包まれてトゲトゲしていないので、同じように苦みが残るキリンクラシックラガーよりは上品な味わいだと思います。またスーパードライと比べればその差は歴然で、奥行きのある味わい、苦みとコクのバランス、キレ云々、こちらの「極」が明らかに上です。もし値段が同じぐらいだとすれば、迷わずこの「極」をオススメするところです。

エビスと比べると、コクの強さではやはりエビスの方があるかもしれません。ただ、エビスは少し地ビール的なクセがあり、このクセを好むか好まないかがエビスがうまいか、「極」がうまいかの境界線になるかと思います。

「極」はまろやかさ、苦み、コクが全体的にバランスの取れた味わいに仕立て上げていて、アサヒらしくソツなく「誰でも楽しめる」ビールになっています。「価格が高い」「コンビニでしか買えない」と言うハンデを考えなければエビスに肩を並べるいいビールだと思います。

あとは「極」が今後もセブンイレブンだけで販売されるのか、あるいはハニーブラウンとかと同じようにコンビニで試験販売して、マーケットの動向を睨んだ後に全国の酒販店で展開するのか興味がありますが、願わくば広く一般的に出回って更に磨きをかけてほしい一品です。

 

 

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