アサヒ 熟撰(缶ビール版)

 

アサヒ「熟撰」は2004年3月に発売されたプレミアムビールです。通常缶ビール版はなく、瓶ビールか樽での発売で、ほとんどが飲食店のみの取り扱いです。が、それから遅れること1年強、この程ギフト専用として缶ビール版が販売されました。350ml缶12本で2980円(1本当たり248円)。なぜか販売しているところが「アカチャンホンポ」という、およそ酒とは縁がなさそうなところなのが何ともイケてます。他にも大手デパートやネットショッピングでお中元商品として販売されているようです。

「熟撰」を家で飲めるこの機会を逃してなるものか、と6月の終わり頃に鳥栖まで行って仕入れてきました(ちなみに、それよりも1週間ほど前にどろっぺパパと樽生版を飲んだことがありますが、なかなか美味しかったです。缶ビールも期待出来そうだと思いました)。

「熟撰」の特徴は、吟味に吟味を重ねたその味わいといったところでしょうか。酵母やホップにこだわり、ホップの特徴を活かす為にレイトホッピング製法を採用したり、あえて米やスターチなどの副原料を使うことで味に深みをつけ

たり・・・云々。これらは「熟撰」サイトの中に延々と書かれていますので、機会あればご覧下さい。

 

 

アサヒ 熟撰(350ml)

飲み味の方は、ビターなスーパードライと言った感じです。全体的に透明感のある淡麗な飲み口ですが、その分苦さが際だち、喉を通った後口の中全体にずーっと残る持続力があります。苦いとは言っても、発泡酒のようにとげとげしいものではないですし、クラシックラガーと比べるとずっと柔らかいですので、苦いビールを敬遠する人にも受け入れられやすいでしょう。

期待していたキレとかまろやかさはそれほどでもなく、苦み以外は何の引っかかりもなくスルリと喉を通過していきます。副原料の投入は、味わいに複雑さを醸し出すのが目的なのだそうですが、あまりその恩恵を得ることが出来ませんでした。居酒屋で飲んだときには、もっとこうパァッとはじけるような鮮烈さと深みのあるコクがあったように思えたのですが、缶ビール版はややドライな飲み味です。

味わい深さの点では、同じアサヒから出ている「こだわりの極み」の方に軍配が上がるでしょう。

普通プレミアムビールというとどうしてもオールモルトビールを連想してしまいます。アサヒはあえて副原料を入れてオールモルトビールにはない味わいを実現しようとしたその狙いは良かったと思いますが、それがもうちょっと味に表れてくれればなぁ、と思いました。・・・淡麗な味が好まれるこのご時世では、その「もうちょっと」を抑える方がウケるのかなぁ。

 

 

                                           インプレに戻る