キリン 極生シリーズ

 

生 黒

 

 

キリンの発泡酒と言えば淡麗シリーズが有名ですが、密かに「極生」なるものも発売しています。極生は発泡酒デフレ時期の産物で、当初は低コストがウリでしたが現在は他の発泡酒とほとんど価格帯が横並びになってしまい、淡麗ほどにはメジャーになれないようです。

自分の予想では極生はあっさりと消え去るかと思ったのですが、2004年4月、予想に反して何と極生に黒を出してきました。黒の発泡酒は、自分の知る限りではキリン、アサヒ、サッポロ、サントリーのメーカの中ではこれが初めてなのではないでしょうか。

生黒の外観は上の写真の通りチョコレート色をしていて、ずいぶんと素朴なイメージです。極生もそうですが、「過剰な装飾を廃した」デザインにこだわったためだそうです。しかし、個人的な意見としては視覚的に美味しそうだと思わせるようなデザインが消費者心理には有効なのではないかと思います。この外観からは「おっ、うまそうだな」と思わせるモノはありません。

 

中央には「生黒」のどでかい文字。これは最初見たとき「ナマグロ!?」と読んでしまいました。うおぉ、なんてグロそうな名前なんだ!と思ってはいけません。濁音で読んではいけないのです。「ナマクロ」とちゃんと書いているではありませんか。でも、もうちっと気の利いた名前にできなかったものでしょうかねぇ…。色んな意味で不要な損をしているような気がしてなりません。

 

今回は、アサヒの黒生と一緒に飲んでみてどの程度黒ビールらしさがあるのか比べてみました。飲んでみると、これが美味い

アサヒ黒生は飲んだ瞬間から苦さが口の中に広がって、次第に黒砂糖を溶かしたような甘さがじんわりとしみていくのに対して、キリン生黒は最初の飲み味がさっぱりしているものの喉を通るにしたがって苦さと甘さが一緒にジワッと舌を包み込むのです。味わい的にはアサヒ黒生と大差なく、これだったら高い金を出さなくても黒らしさを味わえるなぁ、と思わせてくれます。

ところで、アサヒ黒生は同じアサヒのスーパードライとハーフアンドハーフで割って飲むと、ほのかな苦みとクリアな味が相まって新感覚の飲み味があるそうですが、生黒の場合はさしずめ極生とのハーフアンドハーフといったところでしょうか。近いウチに試してみたいと思います。

キリンが出した発泡酒の黒、普通の発泡酒には飽きたいう人にオススメの一品。それだけに、この魅力に欠ける外観とエグそうなブランド名が足を引っ張りそうな気がして何とも惜しいな、と思います(余計なお世話か?)。

 

 

 

 

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