キリン 円熟

  

雑酒の勢いに押され、伸び悩みが続く発泡酒ですが、それでも雑酒の薬品っぽい味を嫌い、なおかつビールの高い値段には少々引き腰になってしまう消費者層にはまだまだありがたい存在ではあります。一方メーカーとしては、雑酒やビールのラインナップには力を入れていますが、発泡酒の販売はどちらかというとコンビニ限定で販売する方にウェイトが置かれています。これは本数を限定することによって、売れ残りを極力防止したいという思惑が働いているようで、昔のように出して売るサイクルは発泡酒には当てはまらなくなってきたことが原因かと思います。

そんな中で、キリンは「円熟」という発泡酒を2005年2月に出してきました。これは普通の酒販店やスーパーでの販売で、限定品でない発泡酒が新しく店頭に並ぶのは久しぶりのことです(キリンでは「やわらか」以来かと)。

「円熟」のウリは、6種類の麦芽と麦を使用して、発泡酒らしからぬコクと深みのある味わいを追求した飲み口にあります。ビールに近い味わいのある発泡酒としてオススメできるのは現在のところ本生ゴールドがその筆頭にあげられますが、果たして円熟が本生ゴールドと比較してどのような味わいを醸し出してくれるのか楽しみなところです。

 

キリン 円熟(350ml)

ということで、飲んでみました。最初の口当たりは滑らかで透明感があります。苦みがキュッと効いてその後から酸味と甘みがほんのりと広がってきます。苦みは鼻孔の奥の方でしばらく残りますが、この点は好みが分かれるところでしょう。できればスッと引いてほしかったと思います。全体的にキレや爽快感は少なく、ウリであるコクとまろやかさがあって、「円熟」の名前からイメージされるような熟成された喉ごしを楽しむことができます。ただ、味の方はあまり感じることができません。麦の味わいを重視した発泡酒だと思います。

本生ゴールドと比べると、どちらも普通の発泡酒とはひと味違う、ビールに近い味わいがあります。ただ、円熟は少し麦のイガイガっぽさが残っているところがあり、そこがちょっと気になります。もう少し洗練された喉ごしを実現できれば、より美味しく味わうことができると思います。今のところが、本生ゴールドがちょっとリードといったところでしょうか。

 

 

 

 

 

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