キリン やわらか

  

一時期の発泡酒はとにかく安売りするか、モノで釣るかの展開でしたが、最近は個性的な味、または醸造方法で求心力を図ろうとしている感があります。キリンはそう言った個性派発泡酒を出すのには長けていて、ハニーブラウンや小麦に続いて、今度は「やわらか」なる発泡酒を2004年11月17日に発売しました。

「やわらか」の特徴は、酵母と乳酸菌で醸造したことでやわらかい味に仕立て上げたところにあります(ちなみに先行して発売されている「小麦」はふくよかさをアピール)。その乳酸菌も、キリンビールと小岩井乳業が共同で開発した特別(?)なもので、発泡酒に合う乳酸菌を開発したのではないかと推測します。

乳酸菌というと、どうしてもヤクルトがすぐ頭に浮かぶのですが、もしかして発泡酒のヤクルト割りみたいな味になっていないでしょうね?どことなく期待と不安が入り交じって、この程発売日と合わせて(例のごとく)2本ほど買ってみました。

それにしても、これでキリンの発泡酒ラインナップは主力の淡麗を筆頭として6シリーズ、10本のブランドですか…。スゴイものです。中には思ったように売れ行きが伸びない種類もあるのでしょうが、サントリーと違ってあっさりとカタログから落とさず、しつこく販売するところもこれまたスゴイと思います。

 

キリン やわらか(350ml)

デザインは、白色ベースの缶が乳酸菌のふわりとしたイメージを出しているのでしょうが、素っ気ないですねぇ。もしこれをミルクティーの缶の近くに置いたら、多分すんなりと溶け込んでしまうのではないでしょうか。おいおい間違ってアルコール取るんじゃないよ?とつい突っ込みを入れたくなる…。ピュアな印象はあるのですが、目立たないデザインだと思います。

 

飲んでみたその感想ですが…、「うーん何だかなぁ」と思います。何の変哲もない味です。最初の飲み口こそ苦みを演出した刺激感がシュワッとしますが、その後は何も余韻が残らないあっさりさ。丁度打ち上げ花火(と言っても尺玉などではなく、一般人が手に持って打ち上げる円筒状の花火です)のように、ポンッとはじけたら切ないほど後には何も残らないのです。せめて落下傘花火のような仕掛けがあればいいのに。

ブランド名となっている「やわらかさ」は微塵の、と言えば言い過ぎですが、お情け程度にちょっぴりまろみが効くぐらいで、期待するほどのモノではありません。発泡酒のヤクルト割の予想はもろくも崩れ去ってしまいました。それはそれとして、一体どこに乳酸菌を使ったメリットがあるのか、その答えを見いだすことが難しい飲み口です。

「やわらか」は乳酸菌で醸造したという斬新なアイデアだけが先行して、その実コレと言った特徴があるわけでもなく、低レベルのところでバランスしてしまった発泡酒です。今の味では、とても「継続して飲んで下さい」などとは言えません。一度飲んだらパスして正解。早くもマイナーチェンジに期待です。

 

 

 

 

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