キリンモルトスカッシュ

 

 

最近では「ビールテイスト飲料」とも呼ばれるようになってきたノンアルコールビールですが、自分の記憶が確かならば日本でノンアルコールビールの先駆けとなったのは、タカラの「バービカン」なのではないかと思います。バービカンは結構昔から販売されていましたが、認知度はそれほど高くはありませんでした。ノンアルコールビールがにわかに脚光を浴び始めたのはここ1、2年の事で、サントリーから「ファインブリュー」が販売されたのがきっかけだったと思います。それからサッポロ、キリンも後に続けとばかりにノンアルコールビールを発表し、11月にアサヒから「ポイントワン」が販売されて主要大手4社から出揃いました。

この数年で急にノンアルコールビールが人気になってきたのは、飲んでも運転が出来ることに加えてカロリーが低いと言うことで、昨今の健康志向の波にうまく乗ったこともあると思いますが、その他に「日本人の嗜好に合った」味のものが増えてきたのも理由の一つではないでしょうか。バービカンに限らず海外のノンアルコールビールも昔からありましたが、粉っぽい味しかせずとても慣れ親しんでいるビール風の味とはほど遠いモノでした。しかしサントリーから発売されたファインブリューはかなり日本人の味覚に合った味に調整されていて、ようやく「飲むに耐える」商品が出てきた感があります。今回、キリンの「モルトスカッシュ」と最後発のアサヒ「ポイントワン」を飲んでみました。

 

 

 

キリン モルトスカッシュ(350ml)

キリンから発売されているノンアルコールビールです。0.5%のアルコール分は他のサントリーやサッポロと同じです。度数が1%未満であればアルコール飲料とならないのですから0.5%にこだわる必要はないと思うのですが、このように横一線になるのはなぜなんでしょう?つくづく右にならえの世界ですねぇ。

飲み味の方は、かなり水に近いです。舌に広がる刺激感や麦の味はたしかにするものの2次元的な味わいで薄っぺらく、言うなれば「麦ジュース」。口の中で余韻を楽しむモノではありません。もっとも、この手のモノは何やらビールを飲んでいるような気分で飲むものですから、それはそれでいいと思います。先述のバービカンに比べれば味が加えられている分飲みやすく、粉を飲んでいるような印象は受けないでしょう。サントリーやサッポロと飲み比べても味に大差はなく、あとは価格の安さが選択の鍵になるのではないかと思う次第です。その点で言えば150ml増量で価格据え置きのファインブリューが一歩リードかな?

 

 

インプレに戻る