サントリー モルツシリーズ

 

                              モルツ<黒生>    ザ・プレミアムモルツ

 

<モルツ 黒生>

サントリーのビールと言えば、やはりモルツ。このモルツから2003年10月末に黒ビールが発売されました。つい先日近くのスーパーで買い物をしていたら、見慣れぬ製品が並んでいたのでよくよく見てみるとモルツ<黒生>。おおっ、ニューフェイスではないか!!フラフラッと350ml 6缶パック買っちゃいました。妻よ、今日も金貸してくれ?

モルツ<黒生>も、エビス同様副原料を一切使用していない100%麦芽の本格的なビールです。パッケージの「副原料一切なし」にサントリーの気合いを感じます。またその他に天然水100%使用とか無加圧濾過で麦汁を取り出したりとか言ったこだわりよう。プレミアム性の高いエビスとどう飲み味が違うか楽しみなところです。モルツ<黒生>のパッケージは茶色とアイボリーの2トーンカラーでなかなか渋いデザインです。一見したときは「逆カスタードプリン??」と思いました。似ていませんか、カラメルをかけすぎたプリンのカラーリングに?そのせいか、どうもプリンの味を連想して「あっ、なんだか美味しそう」と感じてしまいます。イメージの膨らましすぎかもしれませんが?

飲み味の方は黒ビール特有のくさみ(というか生くさいあまみというか)が抑えられ、結構ライトな感覚です。まろやかなエビス黒の奥の深さ、コクにはおよびませんが、すっきりとしていて飲みやすいのでこちらも好む人も少なくないでしょう。ただし苦みは強く、例えばグッと一気に飲んだ場合喉の奥にいつまでも苦み成分が残ってしまうのが残念なところです。しばらく口の中で味わってじんわりと喉を通すようにした方が苦みとすっきり感がバランスして美味しくいただけるかと思います。

願わくば、これにサントリーのクセを少しばかり入れてオリジナル性が出ればいいですね。

 

 

<ザ・プレミアムモルツ>

ザ・プレミアムモルツは、サントリーの主力ビールモルツの上位版に位置するプレミアムビールです。新しく発売された商品ではなくて、従来のラインナップに元々からあったビールですが、ここ最近になって急に売れ行きが伸びました。その理由は、2005年度のモンドセレクションで日本で初めて最高金賞を受賞したためです。

モンドセレクションとは何かと言いますと、どっかのサイトに書いてあった内容を引用すると

 

【モンドセレクション(本部ベルギー・ブリュッセル)は、世界中から優れた製品を発掘、顕彰することを目的として、ベルギー王国経済省に認定された組織委員会が、1961年(昭和30年)から運営している世界的な酒類・食品類のコンテストです。ワイン、スピリッツ、リキュール、ビール、菓子、加工穀物製品などの部門があり、100以上の国から5400点を越える出品があり、エントリー製品を確立された手順に基づき、科学的・細菌学的な分析により、必要な測定・判定を行い、また、酒は利き酒などその特質特徴を構造的に検査、吟味し、基準を超えた製品に得点に応じて65点以上銅、75点以上銀、85点以上金、そしてその中でも最高点(95点以上)に値する製品にグランプリ(最高金賞)が送られます。】

 

この効果はすごかったようで、あまりの売れ行きに生産が追いつかず、ちょうど2年前にエビス黒がそうだったように一時販売休止になるまでの人気となりました。

自分もこの情報を得てからあちこちの酒販店を当たってみましたが、どこも品切れでなかなかゲット出来ませんでした。そんな中たまたま他のビールを探していたところに、このザ・プレミアムモルツを見つけることができ、勢いで6本買ってしまったのでした。懐には響きますが、ちょっとウレシイです。

さて、そんな苦労をして買ったザ・プレミアムモルツ、果たして庶民の自分でも飲めるようなビールなのでしょうか?

グビっ・・・、クオッ!!苦ぁーーーーーいっ!!

飲んだ瞬間から鋭い苦みが口の中全体に広がります。この苦みはギネスビールに匹敵するほど強く、飲んだ後もしばらくは消えません。これに比べるとクラシックラガーはまだ軽い方だと思います。「苦いビールはイヤッ」と言う人にはかなりキツイでしょう。

しかしこれにめげてはいけません。更に杯を進めましょう。すると最初の2、3口は苦さだけしか感じられませんが、飲んでいるうちにだんだんと味わい深さが分かってくるようになりました。口の中全体に苦みの膜を張られているような感覚しかなかったのが、それを突き破るように酸味のきいたコクが喉の奥からグワッと押し寄せてきました。

ようやく口の中が慣れてくると、今度は苦みと酸味が交互に効いてくる味わいにムムッと唸ってしまいます。ちょうどコーヒーの味わい(たしかハワイコナコーヒーだったような)に通じるものがあって、そのせいかだんだんゆったりした気分でビールを楽しむことができます。

後味もいいです。時間が経つにつれてまろやかさが口全体を包み込んで、しつこく残っていた苦みを緩和します。

プレミアムモルツはコーヒーを連想させる珍しい飲み口のビールです。普通のモルツにあるようなサントリーのクセはないですが、次から次に別の味わいが楽しめ、いずれも深みがあっていいです。ただ、大変苦いビールなので、飲む前にイメージトレーニングをするなどして、ある程度心の準備をしておくことをおすすめします。

 

 

 

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