サントリー コンビニ限定ビール

  

                   ボンビエール      ワールドセレクトビア      ジャーマンパールドライ 

                ジャポネゴールド 【New】

 

<ボンビエール

このところ、地域限定とかコンビニ限定とか、とかく販売先を限定して売り出すビール/発泡酒が人気ですが、この傾向が高まる以前から、サントリーはいろんな銘柄を販売してきました。それは以前ここでも取り上げたテーブルビアシリーズで、キリンのチルドビールを意識していたのではないかと思われるブランドでしたが、4つの銘柄を出しただけで姿を消してしまいました。人気が思ったよりも出なかったのか、はたまたはじめから4つだけで終わらせるつもりだったのかは知る由もありませんが、どうもサントリーは先を見越す能力がありながらその時流にうまく乗りきれない面があるようです。

さて今回発売されたボンビエールは、コンセプトとして「華やかな香りと軽やかな味わい」を実現したビールということで、華やかな香りを演出するためにファインアロマホップ(ザーツ産)をレイトホッピング製法で煮沸し、軽やかな味わいを実現するために低熱で煮沸する低熱負荷仕込みを採用したそうです。また使用麦芽にはシャンパーニュ地方の二条大麦が採用され、これの特徴はうまみと後味のバランスがとれているということで、製法、素材ともにこだわったビールといって良さそうです。

実はこのボンビエールは10月16日に発売されていたのですが、発売日を11月30日と勘違いしていた自分は、発売日から1ヶ月近くも経ってからその存在に気づいたのでした。期間限定ですから売り切れる前に買えてよかったことです。ということでサントリーが満を持して(?)はなったこの一品どんな味わいなのか期待を込めて、飲んでみました。・・・ウホッ・・・

これはまた実にさっぱりしていますねー。口に含むと、シュワッと軽やかな苦みが口の上の方に広がってそのままとけ込むように消えていきました。喉の方には全くと言っていいほど刺激がきません。バドワイザーによく似た飲み口で、「軽やかな味わい」のコンセプトをたしかに実現しているとは思いますが、ビールらしい深みのある味わいが全く感じられず、薄っぺらい印象が拭えません。ひと癖もふた癖もあるビールを造るのがうまいサントリーにしてはあまりにも一般的すぎます。もう少しパンチの効いた味わいにならないものかと思いました。ややもすると発泡酒と勘違いしてしまうほどです。

淡麗なビールを望む人には向いているとは思いますが、これを飲むのであればローソンから出ている「麦香る時間」でも十分満足できる味わいだと思いますし、本生ゴールドを飲んだ方がコストパフォーマンスとしては高いでしょう。ビールとしての魅力をあまり感じることはできません。

 

 

<ワールドセレクトビア

ワールドセレクトビアは、ボンビエールの後釜として発売されているコンビニ限定のビールです。

ボンビエールでも使用されたチェコ・ザーツ産のファインアロマホップに加えて、ドイツのアロマホップ、フランスとカナダ産の二条大麦のブレンドという、世界の麦とホップを厳選して作られたところに「ワールドセレクト」たる所以があるようです。これにデコクション製法(熱をかけてゆっくりと抽出する製法だとか)をかけて、しっかりしたコクとうまみを実現しているそうです。

ボンビエールは、軽やかな味わいをコンセプトにしたビールで、実際の飲み味もバドワイザーのようなものすごく軽いモノでした。今回のワールドセレクトビアはコクとうまみがセールスポイントと言うことで、ボンビエールとはまた違った味わいが楽しめると思いますが、さてどんなものでしょうか。発売日は1月末と早かったのですが、2月早々に風邪を引くわ、引っ越しでバタバタするわで、なかなか飲む機会がありませんでしたが、2月も終わりになったところでようやく落ち着いてきましたので、ひとつ飲んでみました。

飲んだ瞬間の印象としては、甘みと滑らかさがあってたいへん口当たりの良いビールと思いました。苦みが少なく喉を通過するときの刺激は薄いので、爽快感はそれほどありませんが、その分飲みやすいと思います。

最初の方は特にコクとかうまみとか感じられなかったのですが、フーッと息をつくとお腹の奥からコクがこみ上げてきて、厚みのある立体的なおいしさが感じられました。初めから最後まで淡麗に仕上げていたボンビエールよりは重厚感があって、自分としてはこちらの方がサントリーらしい、あるいはビールらしい味わいに仕立てられているようで好きです。

ワールドセレクトビアもボンビエール同様にコンセプト通りに仕上がったビールだと思います。キレとかすっきり感はないものの、懐の深さが感じられ、味付けの濃い料理と一緒に飲んでも十分に存在感があります。世界の厳選素材の恩恵までは自分は分かりませんが、コクとパンチの効いた飲み口は多少高いお金を出しても飲んでみる価値があると思います。

 

 

<ジャーマンパールドライ

 

ボンビエール、ワールドセレクトビアに続くサントリーのコンビニ限定ビール第3段です。発売日は2006年5月16日でした。

飲んでみた感想は、爽快さとまろやかさとコクがよく調整されているバランスの取れたビールだと思いました。苦みは少ないモノの、飲んだ瞬間にピリッとした刺激があり、そのあと甘みを含んだ麦の味がふわっと口の中に広がって、何とも言えない充実感を与えてくれます。ドライビールと銘打っている通り、喉ごしは少しパサパサしている感があるのですが、後からわき上がってくるコクに包まれて、直にドライ感を打ち消してくれます。外国のビールと比べれば、ややウエットな喉ごしになっているところが、日本人の嗜好にあった味に仕上がっているように思えます。ただ、後味は少し甘さが喉の奥にべたつくような感じがして、ちょっとマイナスポイント。これがさっぱりと引いてくれれば言うことなしです。

ジャーマンパールドライは、これまでサントリーが出してきたコンビニビールの中では一番飲み応えがある、美味しいビールだと思います。

オススメ。

 

 

<ジャポネゴールド>

 

2006年に発売されたサントリーコンビニ限定ビール第4段は、一転して日本の麦芽とホップで固めてきました。その名も、「ジャポネゴールド」。麦芽は美醸(ミカモ)ゴールデン麦芽、ホップに岩手は紫波産のホップを使っているそうです。

「シルクのように滑らかな味わい」がコンセプトのこのビール、飲んでみると、たしかにまろやかな刺激が舌を包み込みます。グッと飲んだら、後から苦みと酸味が喉の奥からこみ上げてきて、これはサントリーお得意の仕上がりでした。後味も芯の通ったコクが残っていい余韻を残します。ジャーマンパールドライのように甘さが残ることはなかったので、後味が気になることはないかと思います。

全体的には、別で飲んだサッポロ「畑から130年」をマイルドかつライトにした感じで、グワッとくる爽快さはありませんが、口の中全体を柔らかく包むふくよかな口当たりが、どことなく和風なイメージを醸し出します。下手な表現ですが、川面に静かにたたずむ日本美人というところでしょうか。ジャポネゴールドの商品名も「なるほどなぁ」と納得させる味です。

ジャポネゴールドは、ビールの奥深さをじっくり楽しめる一品。高価ではありますが、一度は飲んで損はしないビールです。

 

 

 

 

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