サッポロ エビスシリーズ

 

                                          エビス 黒

 

【エビス 超長期熟成】

 

 

2004年5月のことです。サッポロはインターネットで「通常よりも2倍の熟成期間を要した超長期熟成のエビスビール」を限定で販売したのでした。応募は殺到して、一時制限を入れるほどの人気だったようです。

それから約1年弱。今度は350mlの缶ビールベースで再び限定発売されることになりました。これはおそらく仕込みに時間を要したのではないかと思います。

エビス超長期熟成は、熟成期間を通常よりも長くすることで、更に深みを持ったコクとまろやかさを実現したそうです。普通のエビスでも、コク、苦み、まろやかさが高次元でバランスしていることを考えると、これはもう買って飲んでみたい気にさせられます。発売される3月9日を今か今かと心待ちにしていました。

ところが、9日当日会社帰りに最寄りのコンビニとかリカーショップとかスーパーに寄ってみたのですがありません。へ?もう売り切れたの?

いくら限定とは言え早すぎです。しかし、10件近く寄ってみてもなかったのも事実です。こうなると、意地でもゲットしたい気にさせられます。

ゲットしたのは1日遅れの3月10日。ちょっと離れたリカーショップに置いてありました!!ゴールドが眩しい普通のエビスの隣に、金色の大理石っぽい缶デザインの超長期熟成を見つけたときは図らずも感動してしまいました(大袈裟ですなぁ)。

置いてあるのが少なかったのは、限定発売というのも一つの理由かも知れませんが、思うに値段が高いことが一番の原因ではないでしょうか。製造コストを考えれば妥当とは思いますが、普通のエビスより20円ほど高めの設定になっています。特にコンビニでは値付けの高いビールはなかなか売れないでしょう。

とにもかくにも買っちゃいました。この嬉しさはホタロンが家に到着したときのそれに相当します。

 

サッポロ エビス 超長期熟成(350ml)

さっそく飲んでみました。むむむ…美味い!!口に含んだ瞬間から重厚でふくよかな麦の味が口いっぱいに広がります。飲んでいるときと言うのは息を吸い込んでいるタイミングなので普通味を感じにくく、息をゆっくり吐くときにようやく味が分かってくるのですが、このエビスは飲んでいる段階から味が舌の中に入り込んでくるのです。もちろんフーッと息をつくとさらに深みが増し、コクと苦みが次から次へと湧いてきます。喉ごしもエビスよりはきめが細かい印象があります。これを飲むと普通のエビスが少しバンカラな味に感じるのではないでしょうか。

エビス特有のクセはまろやかさの中に溶け込んで飲みやすくなっています。これは多分好みが分かれるところだと思います。エビスを好む人はあのちょっと鼻腔にまとわりつくクセがあってこそエビスと感じる人も少なくないかと思います。

エビスの超長期熟成は、普通のエビスよりも少し値付けの高いプレミアムビールですが、ビール好きの人にはこの際財布の紐を緩めてもらって飲んでみることをオススメします。飲んでみればおそらくその差を補って余りある製品に仕上がっていることが分かってもらえると思います。今回限定発売ということですが、このロットが販売終了したら即次の仕込みに入って再び店頭にお目見えすることを期待したいものです。

 

 

 

【エビス 黒】

 

エビスと言えばサッポロのみならずビール界を代表するオールモルトビールで、そのプレミアム性は他の追随を許しません。その昔、グルメマンガで有名な「美味しんぼ」にも「ホンモノのビール」と称されたことを今でも覚えています。

そのエビスに、今年の春ついに黒が発売されました。店頭に並んでいたエビス黒の缶を不意に発見したとき、雷に打たれたような衝撃と感動を受けて、フラフラッと500ml 6缶パックを買い物かごに。「チーン!1560円です」とレジのお姉ちゃんに言われるまで現実の世界に戻れないほどでした。…妻よ、500円貸して?(発泡酒を買う予定だったので、1000円しか持ってなかった^ ^ )

エビスは言わずと知れた麦芽100%のオールモルトビール。米、コーン、スターチと言った副原料を使わっていないのでこれが「ホンモノのビール」と言われる所以でもあります(ちなみに、ビールは麦芽の使用率が全体(麦芽+副原料)の2/3以上の場合にビールと定義されます。その他にも副原料の種類が限定されます)。

このエビス黒、サッポロの思惑以上に売れに売れ、何と発売後1ヶ月も経たないうちに生産が追っつかなくなって発売を一時休止にする羽目になるほどの人気ぶりだったそうです。生産ラインを増強しての再発売は7月も下旬になってのことでした。自分の住んでいる地域では在庫が切れると言うところまでは行かなかったようですが、一番飲み頃の時期にモノがないというのは消費者にとってもサッポロにとっても残念な事だったことでしょうね。

 

サッポロ エビス 黒(350ml)

さて、衝撃を与えたエビス黒の外観はチョコレート色の缶にゴールドと白で彩られた文字。デザインはスタンダードのエビスをほとんどそのままに、色合いを変えただけのものではありますが、プレミアムビールらしい存在感がにじみ出ています。アサヒの黒生のデザインは一見して「おっ、美味そうだな」と思わせますが、エビスの黒もそれを思わせる雰囲気があります。

飲み味の方は、いかにも黒らしい期待通りの味です。焙煎した麦の香ばしさとほろ苦さが口全体を刺激し、続いて黒ビール特有のカラメルのような甘さがホワッと広がります。この苦みと甘みの絡み合いが絶品で、飲んだ後すごくまろやかな余韻を残してくれます。エビスはどちらかと言えばあっさりした飲み口と言われますが、自分としてはなかなかコクと深みのあるビールだと思います。

こんな黒を贅沢にも普通のエビスと割って「ハーフ&ハーフ」で飲んでみるのも面白いでしょう。単品で飲むよりもなお一層の深みが得られます。色んな割合で試してみたのですが、個人的には普通6の黒4程度の割合がお互いのクセをなくさずバランスの取れた飲み口になるのでオススメです。

エビス黒は、普通のエビス同様値段は少々張りますがそれに見合うだけの味があり、飲んで失望すると言うことはないでしょう。いつもは発泡酒で我慢している自分ですが、たまにはこういったちょっとした贅沢を味わって明日への活力につなげたいものですね。

 

 

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