サッポロ 冬物語

                                  

2004年    2005年

 

 

【2006年版】

 

今年の「冬物語」は去年と比べるとやや遅く、10月25日に発売されました。今年で19年目になるそうです。青一色のデザインが、シンプルながら目立っていて、思わず「お?」と興味を引かれます。ちなみにサッポロの専用サイトにはこれまでの冬物語のデザインが掲載されていて、その変遷をたどるのも面白いと思います。

一昨年、昨年の冬物語は、苦み、すっきり感、コク、いずれも秀逸の出来で深い味わいが楽しめたビールでしたので、今年もかなり期待を持って飲んでみました。

飲んでみると、すぐに苦みが口の中に広がって冬物語らしい刺激を醸し出しますが、この後の引きが早く、去年まで感じていた二重、三重の味わいがありません。直球ストレート勝負のビールです。残念なのが苦みだけがいつまでも残ることです。これは苦いのが苦手な人には少々きついかもしれません。コクは飲んだ後お腹の奥からこみ上げてきますが、苦みを包み込むほどのモノではなく、冬物語にしてはいささかバランスに欠けている気がしました。

 

 

 

【2005年版】

 

今年も10月早々に冬限定のビール「冬物語」が出ました。今回はデザインロゴをさだまさしがてがけたという、変なアピールポイントも付随していて、缶よくよく見るとさりげなく小さな文字で記載されています。しかし、一見するとこれは去年、一昨年のサントリー冬生に大変酷似したデザインです。そのためか、買う直前まで「あれ?今日は冬生」がでるんだったっけ?と頭をかしげたものです。これで今年の冬生のデザインがメルヘンチックなものだったら、ますますこんがらがってしまうかもしれません。

 

今年の冬な・・・じゃなかった、冬物語のコンセプトは「リッチアンドシャープ」で、そのために仕込みの段階で煮沸を3回行う「三段仕込み製法」を採用したとか。昨年は深い味わいと苦みが効いたいいビールでしたが、今年はどのような味わいになっているか楽しみです。

ということで、飲んでみました。おっと、去年と趣が異なりますね。飲んだ瞬間に苦みが薄いシートのように広がって、その上にコクが乗っかってくる二段重ねの味わいです。昨年も同じような二段重ねの味わいでしたが、この時は上側に苦み、下側にコクというもので、今年はそれが逆になっているようです。そのためか深い味わいよりも、シャープさがより強く感じられる味わいです。コクの方はそのまま苦みのシートに乗ってスルッと喉の奥へと消えていきます。もうちょっと口の中でコクと苦みが融和してくれればリッチさが感じられていいかな、と思いました(少し口の中で滞留させれば良いかもしれません)。

 

 

 

【2004年版】

冬の限定版として歴史があるのが、このサッポロ冬物語です。何と今年で17年目というのですからオドロキです。あのキリン秋味よりも歴史が古いわけです。

ただ、自分はこれまでこの冬物語を飲んだことがありません。昨年ビアインプレやったときから話のネタに、と思って飲もう飲もうと常々考えていながら、他の限定版(白麒麟、冬生、毬花、ビアヌーボーなどなど)に気を取られている間にすっかり機を逸してしまいました。

今年はそんなことがないよう、イキがいいうちに飲んでみようと思います。…なんて思ってたら、10月20日に発売されるということをすっかり忘れてしまっていました。先日、何とはなしにブランニューテーブルを更新しようとしたら冬物語の発売が既になされているのを知った次第です。

 

さてさて、歴史ある冬物語の今年のコンセプトは何でしょうか。サイトに行って確かめてみました。それによりますと、3つの特徴があるようです。

@深い味わい、Aしっかりした飲み応え、Bきめ細かい泡…と書いてあります。泡は別にイイとして、たしかに冬の時期に求められる味わいというのは深くしっかりした飲み味だと個人的に思います。だって鍋やおでんの季節ですもの。こてこてした料理にも負けないくらいの味わいがあってほしいものです。そう言った点では、先行で発売されている冬限定の発泡酒「冬生」なんかはオススメの一品だと思います。

 

ということで、遅れてなるモノか、と会社帰りに近くのディスカウントストアに行ってみました…ありません。はりゃ?時期を間違えたか?しかし、自分はたしかにブランニューテーブルで10月20日と書いたのですから間違いないはずですが…。訝りながら、帰りがけのコンビニに寄ってみました。ここにはありました。また値引きナシの値段です。最近何かと高くつきます。

 

デザインは、白い雪の大地に輝くオーロラを背景にサッポロの星マークと「冬物語」のロゴが入った、幻想的なイメージを与えています。オーロラを背景にデンと構える星マークは北極星を思わせ、天文ファンにはたまらないのではないでしょうか。冬の大地サッポロに似つかわしいデザインだと思います。凛とした冬の研ぎ澄まされた寒さが漂い、いかにも冷えきったビールであることを感じさせます。

ただ、思ったより目立ちません。周りの冬生とか白麒麟の中に埋没しているのです。コンビニで見つけたとは言っても、最初は見過ごすところでした。ちょっとデザインに凝りすぎた感じですね。悪くはありませんが。

 

飲んでみました。お?最近にない面白い飲み口です。飲んだ瞬間、何というのでしょうか。味わいが2段重ねになっているような飲み口です。上の重は苦みが際だつ刺激の重、下の重はコクが薄く広がる深みの重、といったところです。どちらも最後までじんわりと口の中に浸透していき、鼻腔の奥にまで余韻を残します。サッポロのクセは感じませんが、かなり重みのある味わいになっています。コンセプト通りの味に仕上がっていて、冬の料理にも合うのではないでしょうか。

ただ、クールなデザインに反してどっしりした飲み口は女性には受け付けがたいかも知れません。特に苦みが残りますからねぇ。「いや〜ん、デザインが素敵!!」と思って手を出すと、ウゲッという結果になりかねませんのでご注意を。

自分としては、大変美味しいビールだと思います。冬のオススメの一品です。

 

 

 

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