スーパープライム

  

10月8日の話です。新聞の折り込み広告には酒のディスカウントストアのやつも含まれているので、今週の目玉商品はないものか、と目を通してみました。すると、「スーパープライム」というお酒が350ml 24本で2000円ちょっとで売り出されているではありませんか。その隣にはスーパーブルーとドラフトワンが2200円ちょっと。何と200円近くも安いのです。

しかしこのスーパープライム…、聞いたことのないブランド名です。大手4社からこんなの出る予定あったっけ?ということで、もう一度4社のラインナップを調べてみましたが、やっぱりありません。どうもこれは粋生と同じく他の会社から出されているものみたいです。

それにしてもスーパープライムですか。この名前と言い、広告に載っている缶のデザインと言い、どことなくスーパーブルーに似ています。というより、完全にパクリですよ。おまけに6本セットのパック包装までスーパーブルーそっくり。よくもここまで似せてきたものです。これで味まで同じだったらビックリです。

その前にビックリすることがありました。その価格です。何と6本セットで555円なのです。1本100円を切っているんですよ。キャンペーン期間中だったのかもしれませんが、消費者の心をわしづかみにする価格です。

自宅に戻ってまじまじとスーパープライムの原材料を見てみました。発泡酒、焼酎…、ハハハ混ぜモノまでスーパーブルーそっくりですわ。

あちらはビールと焼酎のブレンドでしたが、こちらは発泡酒と焼酎のブレンドです。そう、麦芽使用率が少し落ちているのではないかと予想されます。これが価格の差になって現れているのではないでしょうか。今のところスーパープライムのサイトが見つからないので、詳しいことは分かりませんが、どうもそう考えて良さそうです。

 

スーパープライム(350ml)

さて飲んでみました。一体その味たるやどんなもんなんでしょうか。…うぉ!!酸っぱいです。こんな感覚はこれまで体験したことがない味です。辛口に仕立て上げたのが失敗してこんな味になったというところでしょうか。スーパーブルーに似ているのはモワッとした焼酎ブレンド独特のコクですが、炭酸を効かしている分舌にビリビリ響く刺激感がかなり強く感じられます。当然、お腹に来るのもスーパープライムの方です。全体としては薄味仕立てで、最初の刺激が通り過ぎた後はそれほど余韻を残す喉ごしはありません。ただ酸っぱい感覚は飲んだ後もしばらく舌に残り、変な後味になってしまっています。個性的ですねぇ…。

スーパーブルーと比較すると、ちょっとバランスに欠けるきらいはありますが、それでも6本セット555円でこれだけ飲めればいい方だと思います。缶のデザインはパクリ、6本セットの包装紙もパクリ、ベースとなる原材料もほぼパクリ。これでさらに飲み味までまんまパクリではつまらないじゃないですか。スーパーブルー、ドラフトワンとは違った(妙な)味が楽しめるのはいいことです。

ただ、こんな調子で発泡酒崩れの妙な飲み物が蔓延してくるのはちょっと感心できません。「安いから」と言ってホイホイ飛びつき、気付いてみれば消費者自身がビール/発泡酒の世界を堕落させてしまった、ということにならないよう、ほどほどのペースで付き合っていきたいものです。

 

 

 

 

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