鹿児島旅日記

 

 

 

2001年3月、結婚1周年を記念して鹿児島に行って来ました。

出発直前に自分のクルマがトラブって親のクルマを借りての

旅行でしたが、鹿児島−桜島−指宿−開聞岳−池田湖を巡る

2泊3日、どんな景色が広がるでしょうか。

 

   (クリックすれば、その日の旅行記にジャンプします)

 

1日目(出発−鹿児島市内)

 

2日目(桜島−指宿)

 

3日目(開聞岳−池田湖)

  

     旅行ルート

 

 

 

 

 

  

 

1日目

2001年3月。結婚1周年を記念して九州は鹿児島に2泊3日で旅行してきました。

鹿児島と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、桜島、開聞岳、そして砂むし、でしょう。特に2人とも温泉好きなので砂むしは大変楽しみです。

旅行前は、音楽CDをひたすらダビングしまくりました。特に宇多田ヒカルの「Can You Keep a Secret?」は絶対旅のお供に加えたいところです。

しかしリリース後間もないこともあり、レンタル店に何度通ってもレンタル中の札がかかり、ようやくダビングできたのは、旅行の5日前のことでし

た。とりもなおさずこれで準備万端です。

旅行当日、実家に届け物をしないといけなかったので、出発する前に実家までRVRを走らせました。

すると何と言うことでしょう!実家に到着する手前からエンジン音がボコボコ凹、と水が沸騰する音がして急にパワーが落ちてきたではないですか!!初めは「ははぁ、昨夜の雨がマフラー内に入って、それが気化したなぁ」と思ったのですが、それにしては異常にパワーが落ちてきているのが腑に落ちません。

かろうじて実家まではたどり着いたものの、その帰りはいよいよもってパワーがなくなっていくのが手にとって分かります。おいおい、ちょっとヤバイんじゃねー??これはディーラーに持っていった方がよさそうです。しかし、このパワーの落ち込みようといったら、ディーラーにたどり着けるかどうか微妙な案配。もう心境は馬にむち打つジョッキーです。幸いディーラーまで持ちこたえたときはホッと一息。しかしRVRは心身とも燃え尽きてしまったのかこの後エンジンがかかることはありませんでした。…え?え?

鹿児島までどうやって行くの??

 

…仕方ありません。ここは親に頼み込んでワゴンRワイドを借りる事にしました。自分の愛車で行けないのは残念ですが、こんなトラブルが旅行中に発生しなかっただけでも幸いというべきでしょう。これはむしろ喜ぶべきことです。そう…喜ぶべき事なんですが、親のクルマはチューナーしかないんです。

 

あれだけダビングしまくったCDを持っていっても意味がない! 

 

ワゴンRのエンジンをかけた瞬間、車内に響く浪曲が自分のこれまでの苦労をあざ笑っているようでした。トホホです…。

 

いきなり出だしから躓きましたが気を取り直してワゴンRで鹿児島へと出発です。1000ccの、しかもオートマでの高速クルージングは、さすがにパワー不足な感は否めませんが一度スピードに乗ればそこそこ快適です。

途中北熊本SAで熊本ラーメンを堪能。これがまた絶品!ニンニクが多いので風味はいいし、体も暖まるからちょっと寒さを感じるこの日は大変助かります。ただしこの後しばらくは車内にニンニクのにおいが充満してしゃべることすらままならない状態に陥りましたが…。

ところで、自分は九州道鹿児島方面はこれまで御船ICまでしか行ったことがありません。これから先はどんな所なのかちょっと期待に胸をときめかせつつ、ワゴンRを走らせました。そこに待っていたのはトンネルに次ぐトンネルの連続で、何と6km超のトンネルまであるじゃあないですか。加久藤トンネルに至っては6km以上もある上に対面通行となっています!まだ鹿児島までの道のりは長いのに、すっかりエネルギーを吸い取られた気分です。

 

 

 

えびのPAにて

 

えびのループ橋を見上げる場所にPAはあります。対面通行が6kmも続く加久藤トンネルを抜けたあとのパーキングエリアなのでホッとします。

 

 

 

 

 

えびのPAを出発したあとは桜島SAで再度休憩を取りました。ここからは桜島を望むことが出来るそうですが、この日は天気が良くなく桜島は雲に覆われて見えず終いでした。さっさと高速下りて鹿児島市街へ向かいましょう。

今日の予定はまずホテルにチェックインして鹿児島市内巡りです。高速を下りたあとは錦江湾沿いにある本日の宿泊地東急ホテルへと直行。カーナビなどありませんが、るるぶとサイバーナビ(=嫁さん)があればどこへだって行けま…、あぁぁぁ、全然違う方向をナビゲートしてるじゃん!!!これです、これが旅の醍醐味なのです。

さてさて、悪戦苦闘の末たどり着いた東急ホテル、実はタダで宿泊しました。というのも自分たちが結婚式を挙げたホテルが東急だったので、挙式後1年以内なら全国の東急ホテルに無料宿泊できるという特典があったのです。タダなので大した部屋ではないだろうな、と思っていたが、案内された部屋は最上階のスイートで、その豪華さに思わずたじろいでしまいました。つくづく貧乏肌なんだなー…。

こんなに豪華だと落ち着きませんが、しばらく部屋でくつろいで疲れを取り、鹿児島の繁華街「天文館」へと繰り出しました。「天文館」というぐらいだから、結構星に関係するようなグッズが置いてあるかな、と思ったらこれは見事に肩すかしです。特にショッピングを楽しむような夫婦でもないのでブラッと2,3時間ぐらいかけて回ってホテルに戻り、夕食を済ませて明日の旅の支度へと入るのでした。

 

 

 

2日目

 

2日目は、桜島観光と指宿方面で砂むし満喫ツアー。今回のメインとなる行程です。

朝起きて、窓を開けると空は見事に晴れ上がって絶好の観光日和。昨日は裾野の一部しか見ることの出来なかった桜島も今日は全景がばっちり。頂上付近はごつごつしていて力強く、いかにも男性的なシルエットでした。

 

 

 

 

 

宿泊先の部屋から眺めた桜島

豪華な部屋の居心地の良さに未練を残しつつもホテルを出発、港からフェリーに乗って桜島へ渡ります。

ガイドブックによれば、桜島を眺めるならば桜島中腹当たりの湯之平展望所と、もう一つ有村展望所がいい、と紹介されていました。ただ、時間的にあまり長くもいられないので、今回はフェリー港から程近い湯之平展望所に行ってみることにしました。

湯之平展望所に続く登山路に入れば案外近くに展望台が見えるので「何だ、すぐ近くじゃん」と思っていましたが、カーブが多いのでなかなか展望台が近づいてきません。おまけにこのワゴンRったら上り坂に滅法弱いんですな。アクセル踏んでもウォーンウォーン鳴いてばかりで、だんだんスピードが落ちてきます。1000ccのオートマは切ない…。やはり距離だけの時間はかかってしまいました。

展望所に着いてみれば、間近にせまる桜島の迫力はすごいものです。ゴツゴツした岩肌が間近に迫ってくるのです。バックに西郷ドン(または武蔵丸)がガハハと笑う合成写真を作れば、間違いなくはまります。これが坂本龍馬だったら貧弱すぎてこうはいかないことでしょう。

桜島を背にすると、そこからは錦江湾と鹿児島市内が一望できました。遠くにはおそらく開聞岳も見えると思いますが、今日は霞がかかって見える範囲はごく僅かでした。できれば、透明度のいい晴れた日にまた訪れたいものです。

 

 

 

 

湯之平展望所からの桜島の眺め

 

目の前に溶岩で形成された山が迫る景色は息を呑むほどの大迫力です。この2年後に有村展望台にも行ったのですが、それぞれ違う桜島の姿を見ることが出来るので、時間があれば両方の展望台を訪れてその見え方の違いを堪能したいモノです。

 

 

 

展望所を後にしてフェリーの港まで行ったところ、出発まで時間が少し空いていたので近くの道の駅で昼食と土産ものをすませておきました。

店内には、おおっ!?桜島大根が丸まま売られているではないですか!何という巨大さ!「オイドンを買ってくれ」光線が大根からしきりに出ていて、つい洗脳されそうです。これは早々に道の駅を後にしなければ…。

 

桜島から再度鹿児島市内に戻ったあとは一路指宿方面を目指しました。郊外に入ると片側1車線になるもののクルマの流れはよく、順調にいけば夕方の頃良い時間帯に宿に着く見込みです。晴れていることもあって、このあたりのシーサイドルートはなかなか気持ちがいいです。

左手に広がる海に目をやると、遠くにフェリーが航行していました。「どこかで見た覚えがあるなぁ」と思っていたら、そうだ、鹿児島港にいたフェリーじゃないか*1。斜めにスパッと切り取られたような船尾が特徴的で、妙と言えば妙な形でもあり、かっこいいと言えばかっこいいような気がしないでもありません。この船、結局我々が宿に着くまでずっとつかず離れずのんびりと航行していたのでした。

 

本日の宿は白水館という、ガイドブックには必ずと言ってもいいほど目にする、なかなか有名な旅館風ホテルです。入口から入ると約500mほどうねうねした並木道が続き、いかにも日本風の雰囲気を醸し出しています。館内は瀟洒な造りながら純日本風の庭園まで奢られていて、会社契約料金で申し込んだとは言え、これで1泊お一人6000円ははっきり言って安いです。

さて、宿に着けばさっそく砂むしに行かねばなりません。これはここ白水館に宿泊した人の「義務」といってもいいでしょう(?)

砂風呂用浴衣を羽織って誰もいないだだっ広い大浴場を横断し、砂風呂場へと直行。てっきり砂浜に出るものと思っていましたが、これまた1日目と同様予想に反して中は桟敷みたいな造りになっており、屋根がある代わりにパラソルはなく、見える砂浜も前方だけという案配。一種の露天風呂系?

穴が掘られた場所へと案内され、寝そべるとおばちゃんから砂を盛られます。屋根で日光が遮られているからひんやりしているかと思いきや、ついさっきまで日光にさらされていたかのような暖かさで、何という気持ちよさ。それもあってか通常砂風呂に入る時間は10分程度と言うことだったのですが、共々汗だらだら流しながら20分間粘りました。ここでも貧乏根性炸裂です。身動きが取れないのはつらいけど、これはちょっと病みつきになりそうな…。

砂風呂のあとはジャングルと江戸時代が混在したような珍妙な大浴場で疲れを癒し、とても2人では平らげきれないでたらめな量の料理に舌鼓を打ち(最後はげっそり)、と満足度120%のうちに2日目を終えたのでした。

 

 

 

3日目

 

最終日の3日目です。今日は開聞岳から池田湖に行ってイッシー捜索(はぁ?)。

出発前、朝のすがすがしい空気を吸いつつホテル前に広がる砂浜で散歩しました。ただ、ちょっと黄砂気味なのか遠方はちょっと霞がちのようです。「開聞岳はあっちかなぁ、霞があるのでわかんないや」と探してみますがやっぱり分かりません。そりゃそうです。実際の開聞岳は自分たちの背後にあるんだって。

やはりこれもお約束というモノでしょう。

 

 

 

白水館の庭園

 

 

 

 

 

 

 

1日目と同様、居心地の良いホテルに後ろ髪を引かれる思いで出発しました。できればもう1回砂むしに入りたかったのですが、後の始末が大変なので次来たときの楽しみに取っておくことにしましょう。

開聞岳へは草っ原が延々続くような道路を走ったような気がします。途中までは山の存在になかなか気付かず、ある時突然姿を現してビックリしたような記憶があります(違っていたらごめんなさい)。

開聞岳は標高924mの稜線が大変美しい山で、別名「薩摩富士」とも。桜島と比べると柔らかく女性的なイメージがあります。開聞岳の稜線の美しさは、対岸の佐多岬から見ると実に際だつと人づてに聞いたことがありますが、何の何の近くで見ても十分綺麗です。

なおクルマで登れるのは登山口までで、そこからは我が足で登らなければならないらしいです。駐車場から頂上までの距離にして5kmあまり。体力的には問題ないと思うのですが、この後の行程も考えると時間的に難しいので登山はパス。駐車場近くの広場を巡りながら、デンとばかりに居座る開聞岳を眺めて次の場所に移動します。

その途中、「菜の花迷路」を目にしてちょっと寄り道してみました。既に花は満開時期を過ぎているようで花が半分近く散っているし、迷路に興じる人は誰もいません(…つまらん)。二人だけで迷路に入るのも何だか空しい感じはしますが、立体迷路は初めてなので試しに、と入ってみました。「花は少ないし視界が開けているからすぐ出られるよね」なんて余裕をかましていたら…見事に迷ってしまった2人でした。満開の頃だったらどうなった事やら。。。

 

 

 

 

 

 

ちょっと寄り道をしましたが、開聞岳を離れて最後の観光地池田湖へ。

巨大な木造のイッシー型ジャングルジム*2がひときわ目を引いています。が、我々が見たいのは木造のイッシーではない!!本物のイッシーです。今日は良い天気だし、何だかイッシーを見られそうな気がします。子どものような純真な瞳を湖面に向けました。水面近くを鳥が飛んでいたので、イッシーが突然出てきてパクッと食らいつくシーンを見られるかな?と思いましたが、…出てきませんね。残念ながら映画のようなシーンは現実にはそうそう簡単に起こってくれないようです。イッシー発見は次に持ち越し決定。

帰りは指宿スカイラインを経由して高速道に入り帰路へとつく。スカイラインとは聞こえはいいですが、鬱蒼とした木々に覆われた単なる山道で、相変わらずワゴンRには辛い道です。「勘弁して呉よー」とウォンウォン鳴いていました。元々ガソリンの残りが少なかった上に、アクセル全開(その割にはスピードはさして上がらず)でスカイラインを越えたわけですから、高速道に乗ったときは燃料がほとんどスッカラカン。次の給油所までの道のりは気が気ではありませんでした。

 

鹿児島3日間の旅はこうして無事完了。余談ながら、アクシデントに見舞われたRVRはスパークプラグが油でカブっていたとのことで、全数交換。しめて1万2千円也。ボコボコというエンジンの音にどこか懐かしい記憶があったのは、昔バイクで同じ体験をしていたからでした…(学習能力ないなぁ)。

 

 

帰りの車中から写した夕日

 

 

 

 

 

*1: 後日偶然新聞で目にしてこの船がトーラス号という客船であることが分かった。鹿児島−釜山を航行するほか主に朝鮮半島をクルーズ

しているようです(本文へ)。

  トーラス号

 

                   

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


   *2:池田湖観光センターにある写真のようなジャングルジム。これは骨組み版イッシーだが、その近くには肉付けされたイッシーもある。

      (本文へ

 

  イッシージャングルジム?

 

                   

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

旅行ルート

1日目: 青

2日目: 赤

3日目: 緑

 

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この地図は、「MERCATOR

を使わせていただいています。

 

 

 

 

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