福 岡-大 分 浪 漫 紀 行

 

 

1 日 目

 

 

それにしても天気というのは無情です。ベストショットを願う自分の意気込みをあざ笑うかのように、出発日の朝からものすごい雨、雨!高ぶる撮影魂は幽体離脱よろしくすーっと抜けていくのを感じます。

一応、昼頃になって雨は上がり薄日が差す程度に天候は回復してきたのですが、黄砂がひどく一面黄色の霞がかかってお世辞にもいいコンディションとは言えません。

太宰府ICまで高速を使い、そのまま都市高速を使って香椎方面へ向かいます。福岡にクルマで来る機会は滅多にないので、都市高速のレーンチェンジはなかなか難しいものがあります。ここで登場するのがサイバーナビ(=嫁さん)です。ナビの的確な指示で滞りなく都市高速を通過しましたが、このサイバーナビは時々ウソ情報を流すのが玉に瑕で、都市高速を下りてからR3へ向かうよう指示を出すのです。おい、ちょっと待てR3は小倉方面でっせ?海の中道方面はR495ですぜ?あぁぁっ、時既に遅し!!

これがストレス戦闘機発進の合図でした。

香椎東方面へ戻ることになるのですが、詳しい案内標識がなく、どこでR495に乗ればよいのか分かりません。キョロキョロしている間にどうも分岐点を行き過ぎてしまったことに気づき、再度引き返す羽目になりました。今度は道案内標識がしっかりあります(なぜこちらだけ?)。

しかしまだまだ試練は続きます。ようやくR495に乗ったかと思えばここから始まるのが渋滞地獄。時間は経てども遅々として進みません。そうだ、確か前回もそうだった。あのときも渋滞にはまって、玉名(熊本)や天神と並ぶ「出来れば通るのを避けたい道路」の筆頭に挙げたのでした。あれから丸6年も経つのにまだこの渋滞は改善されていないのか?もう頭の中を飛び交うストレス戦闘機は90機をゆうに超えました。100機を超えれば危ないゾ。95、96、97・・・、やっ、やっと渋滞を抜けました・・・。県道59に入るとそれまでの渋滞がウソだったかのように空いています。さぁ、これから撮影のためのポイント探しですよ。

 

海の中道公園で自分がイメージしていた1シーンは、海の中道海浜公園付近のオブジェとのスナップです。オブジェと言えば真っ先に思い浮かぶのが観覧車ですね。ところが、観覧車はあるのですが撮影するには道路の路肩に一時止めておかなければならず、行き交うクルマの交通量からしてちょっと無理そう。ならば海浜公園の正門あたりはどうか、とわざわざお金を払って駐車場に入りまし

しかし正門は道路を挟んで駐車場とは逆の場所にあって、エアッチとのツーショットはできずこれまた断念。一気に海浜公園周辺で撮影する気がなくなり、この先の志賀島に渡ってどこかいいポイントがないか探してみることにしました。

志賀島へは、両側を海と砂浜で囲まれた志賀島橋を通ります。これは壮観です。ふつうこの手の道路というのは両側に防風林があるものですが、そういったものが一切なく、きっと青空の下だったら爽快な写真が撮れるに違いありません。でも今日は黄砂吹きまくりのでたらめな天候なので、ここで撮影しようと言う気にはなりませんでした。

志賀島は普通に走ればものの30分で一周できるぐらいの小さな島ですが、金印公園や潮見展望台など手軽に楽しめるスポットは結構多いと思います。特に金印公園はでっかい金印のレプリカがあり、これを前にして黄砂でかすんだ景色を見ると、NHK人形劇「三国志」のあのシーンがまぶたに浮かんできます。きっとこの海の向こうには中国大陸があるのだろうな、と密かにつぶやきたくなりますね。もっとも見つめるその先は実は中国大陸ではなく、福岡方面なのですが。

 

金印公園

 

よく小・中・高校で習った「漢委奴国王」の文字が刻まれた金印のレプリカがデーンと置かれてあります。

 

それにしても困りましたねぇ。あちこち走り回ったものの心に残る撮影スポットに行き当たらないんですよ。こうなれば、もうマリンワールドぐらいしかないですな。幸い今日は平日、マリンワールドに来る人も少ないです。駐車場手前で道路に横付けするというあくどい所業で、素早くマリンワールドをバックにエアッチを撮りました。もういい、このエリアはもう十分です。これ以上スポットを探そうとすると、またストレス戦闘機がスクランブルしそうです・・・。

 

 

マリンワールドで

 

 

海ノ中道駅付近で(桜がきれいでした)

とりあえず自分の目的は達したので次は嫁さんの時間にシフトしまあす。嫁さんはというと、天神で買い物をしたいんだそうです。

もちろん天神にクルマで行く気はないので、その前にホテルにチェックインしてバスで行くことにしました。

嫁さんの天神パターンは大体決まっていて、あらゆるデパートの雑貨屋か洋服を見て回ります。この日もやっぱりそうでした。そして買い物目的で来ると言っても大体は逡巡した結果、「次でいいや」と見送ります。それもやっぱりそうでした。それでも延々3時間。普段は体力がない嫁さんなのに、こと買い物の時だけはドーピングでもやっているのではないかと思うほど元気です。

さて、エセ買い物が一段落したら夕食としましょうか。

実は福岡に来たら是非訪れたいところがあったのです。それはキャナルシティ博多にあるラーメンスタジアムです。自分たちが狙っていたラーメン屋は北海道代表「山頭火」。ここの塩ラーメンは絶品という噂です。しかし、ここはものすごい行列で1時間は待たされそうな賑わいでした。考えてみればこの夏に北海道に行く予定なので、そこで食べればイイじゃん。ということでパスして喜多方ラーメン専門店坂内食堂をチョイスしました。ここもたしかに行列が出来るほどの人気ぶりだったのですが、待ち時間も20分程度とまぁ待てるレベルではあります。並んでいる途中、自分たちの前でラーメンうんちくを語る若者二人がいて、話しぶりから察するに既に2軒ハシゴしているそうです。今日は4軒はイクらしい。うっぷ・・・。

さてその坂内食堂、味はと言うと中国地方の中華そばによく似ていて、油がギトギト浮いているが実際はさっぱりしていてなかなかいけました。圧巻なのは肉そばにつけられるチャーシューの量で、バラの花びらの様に一面並べられているんです。ラーメンだけなら2杯はいけるかもしれませんが、これだけのチャーシューを平らげた上でラーメンを腹に押し込むのは大変ですよ。しかも自分は餃子とおにぎり、生ビールまで注文しているんです。こ、これは拷問だ(しかも自爆)。

ちなみに先ほどのうんちく若者。驚くべき事に自分と同じ肉そばを食してました。これであと1軒イクというのか!彼らにとってラーメンは別腹なのか。その後の運命がどうなったのか、ラーメンスタジアムを出た後もひたすら気になる1日目の夜でした・・・。  (続く)

 

 

 

坂内食堂の「肉そば」

 

見よ、どんぶり一面に咲くチャーシューの花を!

ここまで来るともはや芸術の域に達している。しかし、チャーシューは脂が乗り切っているので、最後の辺りになるともたれてくること必至。

一緒に注文する品は餃子ではなく、是非ご飯だけにしておきたい。

(850円)

 

 

 

 

                                                                      

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