大 阪 神 戸 疲 れ 旅 〜

                 

 

           

2003年も終わりに近づいてきた12月の11日から13日にかけて大阪と神戸に旅してきました。来年から産休に入る我が嫁のたっての希望で、「海遊館」と「神戸ルミナリエ」を巡るのが今回の目的だす。

いつもならクルマを駆ってあちこち回るのですが、今回は地下鉄、市電、JRと自分の足で回ってきました。普段歩く機会の少ない我々にとって、いやはや何とも疲れた旅ではありました…。

2日目は神戸へ移って、メインの神戸ルミナリエを満喫してきました。

 

2日目: <にしむら珈琲店の章>   <異人館の章>    <メリケンパークの章>    <神戸ルミナリエの章>

1日目の大阪散策はこちらから

3日目の酒造館観光はこちらから

 

<にしむら珈琲店の章>

2日目は朝10時にホテルを出発し、阪急電鉄を使って神戸は三宮まで移動しました。特急で約30分で運賃310円。何というリーズナブルなお値段。如何に電車が普段の足となっているかが伺えます。

三宮に到着したら、とりあえず宿泊先に荷物を預けようと「モントレー神戸」に向かいました。ところが、到着するなり「申し訳ございません」といきなり謝罪の言葉。何でも、当日になって宿泊する部屋を含む5室がエアコンが故障してしまったということです。で、ここから1km先の同系列のホテルにロイヤルスイートをアレンジしたのでそこに宿泊してもらえないか、と。

もちろんです!!(心の叫び)

こちらとしてはエアコンがなくても全然問題ないんですが、ロイヤルスイートの言葉に籠絡されましたね。「何もそこまでせんでも」という言葉をグッとこらえ、二つ返事でモントレーを後にしました。しかも預けた荷物はモントレーが運んでくれるとのこと。本日は初っぱなからツイてます。ホテルの感想については改めて紹介することにしましょう。

それにしても移る先のホテルのまた遠いこと。この日は風が強い上に大変冷たくて、歩いて移動するのはつらいものがありました。

 

そんなときに芯から温まるのがやっぱコーヒーでしょう。そして嫁さんイチオシの店がここ「にしむら珈琲」。自分たちが入った店は山手幹線沿いにある店だったのですが、この周辺にも姉妹店が結構ありあとで出てくる北野坂とか、JR三宮駅そばにもありました。

店内はウッディ風の落ち着いた雰囲気でなかなかイイ感じです。ただ暖房効き過ぎ。まるで常夏じゃないか。よく店の人は暑くないなー。

暖房機から極力離れた席に陣取って、オーダーしたのはやっぱりブルマンNo.1(750円)。旅行しているときぐらいリッチにいきたいものです。さてさて、自家焙煎の豆に灘の宮水を使って入れるコーヒーの味は如何に?

ほほーっ、最初はブルマン特有のすっぱさが際だつモノの、時間が経つと次第にまろやかになってきました。苦みもそこはかと感じられていい案配です。コーヒーにはこだわりを持っているM氏にも是非味わってもらいたいなぁと思った次第です。

ホテルモントレー神戸のエントランス

にしむら珈琲店の外観

手前がブルマン、奥がケーキセット

店内の様子

 

<異人館の章>

コーヒーを飲んで暖まったあとは、北野異人館を訪ねてみました。

北野坂をえっちらほっちら登って、突き当たりを右に曲がるといかにもそれらしい雰囲気の坂が続きます。ガイドブックを見ると、趣のありそうな建物は「うろこの館」とか「風見鶏の館」とかハイカラな造りの建物が目を引きます。

何でも、70年代に放映されたテレビドラマがきっかけで一躍観光名所になったとか。成り立ちこそ違いますが、雰囲気的には富良野にある「北の国から」のロケ地と同じ匂いを感じます。

それにしても、入館料の何と高いことか。安い館こそ300円で入館できますが、ほとんどは500円から700円。うろこの館にいたっては1000円。3館、4館と巡れば、かなりの出費です。一応いくつかの館の入館をセットにした共通入館券を使えばお得な値段で入館できるものの、それでも9館をセットにした共通入館券で3500円。2人だと7000円。ちょっと買う気しないわなぁ。できれば日替わりで2,3館は無料で入館できるようなフレキシブルなアイデアがほしいですね。どう考えても、全館入館してもらおうっていう価格設定ではないです。

結局、無料入館できる「ラインの館」以外は外観だけの見学に決め込みました。正直これだけでも十分楽しめます。特に細い路地を地図見ながら巡るのはちょっとした迷路ゲームのような感じがして、久方ぶりにワクワクしました。

そうそう、途中の広場でネコの集団を発見。我々観光客を冷ややかに見つめていました。結構観光客が多いところですからてっきりエサを求めて媚びを売るかと思いきや、そんな様子は全くなし。見事なまでにクールな奴らでした。

 

 

異人館通り

こちらは無料入館できる「ラインの館」

風見鶏の館(入館料:300円)

萌黄の館(入館料:300円)

異人館街にある「北野町東公園」に屯するネコたち(他にもいっぱいいました)

北野天満宮の社:この日ここで結婚式が催されたようです

レトロなクルマには花嫁が乗っていました

 

<メリケンパークの章>

異人館を満喫したあとは一旦ホテルにチェックインして、ちょっと休憩してから今度はメリケンパークやモザイクなど港湾街へ行ってみました。ホテルから距離にして3km近く。下り一辺倒の道とは言え徒歩じゃぁキツイキツイ。普段歩かないツケがここで効いてきますね。レンタカーでも借りていればさっさと行ける距離なのですが。

で、キツイ思いをして到着したメリケンパークに一体何があるのかというと…、

何もありません。

だだっ広い公園のところどころに展示物はあるのですが、別に土産物屋が軒を連ねるわけでもなく、平日だからか人の賑わいもなく、それに海風の冷たさが加わると空しい気分になってきます。

唯一の救いは、海の向こうにうっすら虹の端が見えたことでしょうか。

とは言え、ここをてくてく歩いてもただただ寂しさだけが募ってきましたので、早々に対岸の「モザイク」まで足を延ばしてみました。

こちらの方は、オープンモールの開放的な町並みに飲食店、雑貨店、インポートものなどがいっぱいあってそれなりに楽しめます。まぁ、「何かを買う」「これを食べたい」という明確な目的があればの話ですが。

モザイクの隣には阪急百貨店があって、嫁さんはここで「ベビー用品」探しにあけくれました。偶然にも「アカチャンホンポ」というベビー用品専門店があったんですよね。

 

 メリケンパークから見えた虹の端(橋ではなく)

神戸ポートタワー(入場料:600円) 今回は入場しませんでした

阪急百貨店内はもうクリスマス気分 綺麗だったです

 

<神戸ルミナリエの章>

 

メリケンパーク、モザイクを巡ったあとは一旦ホテルに撤収しましたが、さすがに徒歩で戻る気力がなく、帰りはJRを使いました。何と言ってもこのあとがメインの「神戸ルミナリエ」です。またここでも歩いて歩いて歩き回らなければならないので、少しでも体力(というか脚力というか)を残しておかないと…。

神戸ルミナリエはこの日12月12日が初日と言うことで、特に6時からの点灯式は大勢の人が殺到するものと予想して、あえて出発時間は8時頃にしました。

ところで、神戸ルミナリエとはなんぞや?自分は旅行するまでは全く知らなかったのですが、阪神淡路大震災で犠牲になった人々の鎮魂と、町の復興を願って開催されたイベントです。1995年に初めて開催され今年で9回目。色鮮やかなイルミネーションで形作られるモニュメントは毎年デザインが異なり、今年は「光の地平線(オリゾンテ)」をテーマに、荘厳な光の世界を展開するとのことです。

事前に仕入れた情報では、あまりの人の多さに30分で進める距離は僅かに10mという話も!!おいおい、妊婦がこんな所にいると、たちどころに潰されやしないか非常に心配になってきます。何せ昨日の大阪の地下鉄でもラッシュ時に重なって押し合いへし合いの危ない目に遭ったし…。

そんな不安要素を抱えつつも、7時頃ホテルを出て三宮駅の地下街−「さんちか」と言うらしい−で食事を済ませて、いよいよ神戸ルミナリエ会場へと赴いてみました。

 

 

神戸ルミナリエの会場はJR三宮駅の南にある「東遊園地」がメインとなりますが、混雑を避けるため、三宮駅の西隣の元町駅から向かう一方通行に規制されています。

それも駅を下りてすぐ会場に行けるのかというとそうではなく、えらくぐるぐる歩かされます。期間中は車道を歩行者天国にして向かうことになっていて、逆に歩道を通っては会場に行くことができません。会場までの道のりには至る所で警察が警備を行っていますが、あくまでも人の流れをスムーズに進めるのが目的で、トラブル対処に充てられてはいないようです。まっ、犠牲者の鎮魂をするイベントなんですから、トラブルを起こすようじゃいけませんよね。

20分ほど歩いてようやく到着。おおっスゲェ!!オリエンタルな雰囲気の光の門が輝いています。神戸ルミナリエの入り口「希望のプレリュード」です。

遠くから見ると向こうの出口までは光のトンネルが続いているように見えます。それはまるで光のシャワーが注いでいるよう。

希望のプレリュードを斜めから見るとアーチは連続的なモノではなく、一定の間隔を置いて設置されていることが分かります。これが遠くから見ると、遠近法の錯覚であたかもトンネルのように見えるわけですね。うーん、緻密に計算された素晴らしい芸術です。

ところで心配された混み具合ですが、思ったよりも少なかったです。一応こうやって途中で止まって写真を撮る余裕もあったし、怒号が飛び交うような状態にはなりませんでした。聞くところによれば8時の時間帯が人通りが落ち着いてくるとのことでした。

希望のプレリュードをくぐり抜けると、次はメイン会場となっている東遊園地に。ここにある「連なる地平線」がまた圧巻。巨大な円形状の光のモニュメントはまるでコロッセオを思わせます。ここは内側に入ることも出来てそこは一面光の世界。オレンジ色の柔らかな光に包まれて初めて犠牲者への追悼の念と、神戸の復興への祈りが涌いてきました。

 

 

 

神戸ルミナリエのフロントーネ「希望のプレリュード」

希望のプレリュードを斜めから

連なる地平線

アーチをくぐっている途中

内側に入ると荘厳な雰囲気が辺りを包みます

光のオアシス

ところで、神戸ルミナリエ期間中は市役所の展望台も開放しており、高いところから会場を見下ろす事ができます。何台かのエレベータをフル稼動させて一気に25階まで。そこから見るルミナリエは、おおー、光の地平線が光の環になってポッカリ浮かんでいるではないですか。光のプレリュードはちょっと見にくかったですけど。

また、昼間に訪れたメリケンパークやモザイク当たりも美しいイルミネーションで飾られており、神戸がまさに光に包まれていました。

神戸ルミナリエは、規模的には大きいものではありませんが、観光するには適度な規模だと思います。ゆっくり回って、写真を撮って2時間前後といったところでしょうか。会場を訪れるまでは寒さが染みてしょうがなかったのですが、美しい光を目の当たりにするとそんな寒さもどこへやら。感動と興奮ですっかりポカポカになってホテルへと戻ったのでした。

 

市役所展望台から望む光の地平線(右)と光のオアシス(左)

メリケンパーク、モザイクの夜景

山手の方向は、錨と神戸市のシンボルが浮かんでいました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                           

 

 

 

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