サターンAG |
|
【思い立ったが周回遅れ】 今年の春にAXDでオートガイドをやったら、あまりのお手軽さと確度の高さを知ってしまい、出張りでの撮影はもっぱらオートガイド中心になってしまいました。 ホタロンまでの焦点距離なら、よほどのことがない限り星が流れることはないので大変重宝しています。 このオートガイド、もしサターン赤道儀でもやれればさらに利便性が上がるんじゃあないでしょうか! 三脚に載せるなどグレードアップを図って稼働率向上を目指したサターン。自宅庭での観望でボチボチ出陣させていますが、撮影に使うには至っていません。 なんせ昔ながらの赤道儀なので、モータドライブのコントローラは「2倍、8倍、STOPと正逆切り替え」のシンプルな機能で、しかも赤経1軸のみ。当時はこれでも十分な機能でしたが、自動導入とかが当たり前の昨今ではさすがに物足りません。 言わんや、これでタッチガイドしようなんて気にはとてもとても!! さて自動導入は別として、サターンでオートガイドするためには、@オートガイド端子付きのコントローラにする、Aサターンを2軸モータ化する必要があります。 Aはともかく、@は必須。今のコントローラを改造する手もありますが、知識も技術もガッツもない自分にはまずもって無理な注文です。多分一生かかってもできない自信はありますから、それよりかはコントローラを新調した方がいいと思います。 何か適当なコントローラがないかとネットで調べましたら、ビクセンの「DD-3」なるコントローラがヒットしました。 2軸駆動対応でオートガイド端子付き。コレですよ、コレ。 機能こそ今のものと大差ないものの、同じビクセン製なのでモータとの相性はバッチリ。オートガイド端子は親分AXDのスターブックテンと同じというのも大きなアドバンテージです。お値段は決してお安くはありませんが、これを見逃す手はありません。 さっそく手を伸ばそうとした瞬間、、、生産終了??な、なんだってー!? 困ったことにDD-3は既に世に出回ってなくて、どこの販売店を見ても在庫なしの状況。思い立ったのがあまりにも遅すぎた夏の午後でした。。。 DD-3 モーターセット(メーカーHPより) |
|
|
【ポチりの妙味】 普通に出回ってないとなると次の手段はオークションです。チェックしてみたところ、ボチボチと出品されてはいるようです。しかし価格が高い!いずれも定価を上回る金額で落札される始末です。それなりにニーズはあるのに何で生産終了するんですかね!!恨めしいぞ、ビクセン。 来る日も来る日もDD-3の出品チェック → 出品されたら入札レースを展開 → 落札できずに振り出しに戻り。。。これの繰り返しです。 そのうち、「そこまでして買うべきか?」という思いに駆られました。 もしかすると、DD-3の後継機種が出るかもしれないじゃないですか。だったらそれまで待った方がいいんじゃないでしょうか。ちっとは自制することも学ばなくては! ・・・・と、ホタロンばりの形ばかり自問自答はやるものの、一度走り出した物欲列車は止まらないのがY−daスタイルです。 サターンのために後ろ向きな考えは不要!ただひたすら前を向いて突き進むのみです。 経験上、開始価格が安めに設定されていると、大抵の場合価格がつり上がって強烈な落札額になりがちです。一方、開始価格が高いと案外高騰せず、ともすれば開始価格が安いものよりも安価で入手出来る場合があります。 それを狙って目を付けたのが、コントローラ、モータ2個、電源装置のフルセット品。他にもコントローラのみ出品されてたり、同様の出品内容でも開始価格が安く設定されているモノがありましたが、これを隠れ蓑にフルセット品の方にさりげなく札を入れておきます。幸い、他の出品物よりもこちらの方が終了タイミングが早いため、こちらに流れる人は少ないであろうと読みます。 この読み、普通ならば外れてばかりなのですが、今回は珍しく的中!サターン!やったよ、オレはやったんだ!! 苦労してゲットしたDD-3が「実家」に届いたのはそれから数日後、8月も半ばを過ぎた頃のことでした。(思ったよりもコントローラが大きくてビックリでした) ポチったDD-3(電源装置など備品は割愛してます) |
|
|
【神に昇格】 DD-3が来たらすぐにでもオートガイドを試してみたかったのですが、実際にテストしたのはゲットしてから1ヶ月ほど後のことでした。 何となれば、大接近を迎えた火星とか惑星撮影にシフトしていたためでした。惑星撮影はEM200にWB25の組み合わせでやりましたので、三脚は「本来のご主人様」であるEM200に明け渡さねばなりません。 惑星撮影が一段落した9月中旬。晴れ間を狙ってサターンを庭に引っ張り出し、オートガイドにいざ挑戦。ただ、赤偉モーターは取り付けるには至ってませんので、赤経だけ確認することにします。 正直、ガイドがうまくいくのかかなり不安視していました。パルスモーターとは言えかなり古い型のモーターなので、PHDの指令に追従できなさそうだし、赤道儀の動きが渋いのでモーターの回転伝達が伝わりにくそう。おまけにモーターのスピードは1.5倍、2倍、32倍の粗い設定なので、最適な挙動量になるかも微妙です。 オートガイド側はちゃんと修正信号を送っているのに足回りが言うことを聞いてくれない・・・そんな情景が目に浮かびます。 ところが!!実際に蓋を開けると、目を疑うような展開が待っていました。驚いたことに概ね±1秒程度の振れでガイドしてるんです。 VC200L+レデューサでの焦点距離でも十分にガイド出来る精度です。親分AXDよりもすごいじゃないですか! サターンのオートガイドの様子。白色が赤経側のガイディング状況になります。縦軸の1目盛りが1秒に相当します。 数日後、このガイドがまぐれかどうかを確かめるため、サターンにVC200L(HDレデューサ付)を載せて自宅で直焦してみました。 3分露出の6枚撮影を敢行してみたところ、前回同様大変安定したガイドを披露。もちろん撮影結果も星の流れはなくて、ビシッと点像に決まっていました。 小さい頃、神のごとくあがめていたサターンが、サターンAG(AG:オートガイド)として今まさに神になった瞬間です。 赤偉側のオートガイディングが今後の課題ではありますが、実用面で大きく前進したと思います。ホント、「ビバ!オートガイド」と言ったところです。 サターン+VC200L(HDレデューサ併用)で初撮影したリング星雲です。3分×6枚をコンポジットしてます。 |