阿 蘇 旅 日 記

 

2002年2月。熊本は阿蘇の方へドライブに行ってきました。

2001年11月から三菱自動車のエアトレックウェブサイト(注:このサイトは2003年9月末を持って閉鎖しました)で繰り広げられていたビューラリーのネタ作りと、白川水源の湧き水を汲みに行くためです。

前日、出張からの帰りに飛行機の窓から見た阿蘇連山は、曇天のため僅かに頂上付近だけが見えただけだったのですが、今日はまるで春を思わせる快晴の天気になりました。これはきっとすばらしい阿蘇山が拝めるに違いありません。

ところで嫁さんはと言うと、友達を呼んで遊びに出かけているので、今回も一人気ままなドライブ。うーーん、楽しめそうです。

 

阿蘇に向かうR57に至るまでの道のりは比較的順調な流れ。この分なら正午頃には白川水源に到着できそうな見込みです。ところが1車線になる「道の駅 大津」あたりから渋滞が激しくなり、一気にペースダウン。普通だったら20分程度しかかからない阿蘇大橋まで1時間近くを要する羽目になりました。阿蘇大橋から右折し白川水源方面に通じるR325に乗りましたが、渋滞の列はそのまま延々と赤水の登山路へと続いていっている様子。

とても一緒にトロトロ行く気になれません

R325をしばらく走ると、やがて左手には阿蘇の外輪山を構成する「御竈門山」「烏帽子岳」などが続きます。まだ新緑にはほど遠い季節なので山肌は一面黄土色ですが、意外にも青い空をバックにすると見事なまでに映えています。R325から阿蘇へと続く吉田線へは、白川水源で水を汲んだ後に登るのでここはひとまず通過、それでもって調子に乗って白川水源の入口までも通り過ぎてしまいました。白川水源には何度か来ているんですが、相変わらず入口が分かりにくいですねー。もう少し目立つ看板があればいいのに、といつも思う次第でした。

 

2回目の折り返しで白川水源の入り口を発見し、細い道路をしばらく走って専用駐車場に到着。水源はこの駐車場から少し離れた所にあり、徒歩で行くことになります。

途中、水源から水を汲んで帰ってくる人とすれ違います。いずれの人も両手にペットボトルやポリバケツを持ち、非常に重そうに水を運んでいました。

そんなに無理して水を汲まなくても…と思うワタシでしたが、かくいう自分だってその手にゃ2リットルペットボトル4本、500mlペットボトル6本。…人のことはとやかく言えませんな。

 

水源の入り口の発券所でお金を支払い、水汲み場へと向かいました。水源はさほど大きくはなく小さな池のような感じです。水底のこけの色によって透き通った青色や鮮やかな緑色に変化してはっとするほど綺麗です。これですよ、これ。この美しさが一番の魅力なのです。ところどころ、細かい砂利が絶え間なく吹き上げられ、そこから水が湧き出している様子がよく分かります。

水を汲む前に少しだけ口に含んでみました。甘くてまろやかな味わいは変わっていません。これですよ、これ。この甘さが白川の特徴で、苦めのコーヒーもこれで入れれば程良い味になるんです。よって持ち帰る湧き水は大体はコーヒー用と相成るわけです(他には水割り用とか)。

持ってきたペットボトルは全て水でフル満タン。総重量にして高々11kg程度なるも歩くたびに水が右へ左へポッチャンポッチャン揺れるものだから、戻る足取りは完全に千鳥足でした…。

 

 

 

 

 

 

白川水源に通じる歩道

ではなく、歩道の脇を流れる清流。歩道を歩きながらサワサワと伝わる川の音を耳に聞き、木漏れ日でキラキラと光る川の流れを見ていると、日々の仕事でささくれ立った心が癒されるようです。

 

 

 

 

白川水源のこの美しさ!

同じく白川水源

 

 

さて、白川水源の水汲みという一つの目的を達成した後は、ビューラリーのためのネタ作りです。阿蘇では「雄大な山をバックにエアトレックをバッチリ撮ってくれ」というのがサイトの指示。

雄大な山を探してまずは吉田線の登山入口から入り中岳方面へと足を延ばしてみました。吉田線は赤水線と異なって道路は空いており、実に快適です。しかも長距離を走ったおかげかエンジンが静かによく回り、上り坂にも関わらずアクセルを踏むとレスポンス良くスッと加速してくれます。加速感はリニアかつ滑らかで、この滑らかさ…ちょうどランサーセディアのカタログに書いてあった「シルキー」という表現がよく似合います。

標高を重ねると、急カーブが多くなり右に左に忙しくハンドルを切りながら登っていきます。眼下には盆地上の平野が広がりなかなか見事な眺め。そしてカーブを切ればそのたびに眼前に迫る山の迫力に思わずハッと息を呑みます。

「池の窪園地」という広場当たりに出ると急に視界が開けて、正面には御竈山が目の前にそびえていました。「オカマドヤマ」という呼び名もユニークですが、山の頂上付近もポコッとこぶがあって独特の稜線が面白いです。山肌が茶色のビロードのようで、遠くから眺めると何とも手触りが良さそうな感じです。開けた空間に大きくそびえている御竈山の存在感はバッチリ。まずはこの山をバックに撮影しましょう。プレビューを見て、むむっエアトレックは斜め30度、高さ1mから見上げるように撮るとカッコよく写るな!!(←自己満足)

御竈山から少し登れば、次は烏帽子岳がすぐ近くに見えてきました。烏帽子岳の方は薄茶色と濃い茶色が虎縞模様になっていていかにも荒々しいイメージ。ちなみにこの裏側に回ると草千里があります。ただ、この様子では緑が一面に広がる草千里はまだまだ先のこととなりそうですね。2月だから当たり前なんだけど。ちょっとした駐車スペースにクルマを止めてここでも数枚撮影。烏帽子岳の迫力に負けぬようアップで撮ってみましょう…。

 

 

 

御竈門山をバックに

烏帽子岳をバックに

 

 

烏帽子山を過ぎれば、程なくして阿蘇の登山路との分岐にさしかかり、右に進路を取れば中岳へ、左に曲がると草千里にそれぞれ通じます。ところが、火山性ガスが増加傾向にあるとかで中岳への道路は封鎖されていました。うーーん残念。

ということで中岳へのドライブは断念し、草千里の方へクルマを走らせました。やはり枯れ草千里で、緑の絨毯のような風景は拝めず終いでした。ここから中岳方向を見ると、噴煙がもうもうと出ている様子が眺められます。広い草原と噴煙を上げる中岳の構図は背景用として申し分ありません(欲を言えば緑がほしかったけど)。エアトレックと草千里と中岳がバランス良く入るようにアングルを決めて写真をパチリ。そう言えば、RVRで来たときもこの場所で写真を撮った気がしますなぁ。

 

草千里からは赤水線を通って山を下ります。吉田線ほどではないもののカーブが多いのでスピードの出し過ぎには注意が必要です。往生岳をぐるりと回ると、やがて赤水方面と阿蘇方面に向かう分岐道当たりでお碗形の特徴的な山が見えてきました。米塚です。人工的に作られたのではないかと思えるぐらい見事な放物線型のラインに、ぽっくり窪んだ頂上。小さいとは言え存在感はバッチリです。

ここら辺りでも写真を撮ろうと思って、少し速度を落としつつ米塚を眺めていると、何と米塚に登っている人たちがいるのを発見。それも1人や2人ではなく結構な数ではないですか。

自分も登らなくては! 予定外ではありましたが、ここは是非登っておきたいところです。昨年富士登山ツアーに参加してちゃんと登頂を果たした実績もあるので、体力的には心配無用です。

 

米塚前の駐車場にクルマを停め、カメラを片手に既に先行している人たちに続いて颯爽と「立ち入り禁止」の柵を乗り越えました。米塚には何故か一筋のあぜ道があって、それに沿って登る人たちの列がある。なんだか巡礼に出た気分です。

さてこの登り道、遠くで見るとそさほど感じないのですが、近くに来ればかなりの勾配がありました。「一気に走り抜けてやるぜ」と登る前はやけに威勢が良かったのに、いざ登ればものの1分もかからないうちに足がパンパンになってあっさり息切れしてしまうではありませんか。

、齢は取りたくないものだ…

当初は3分で登頂を目論んでいましたが、3倍の10分かかってようやく頂上に到着(それでも端から見ればかなり速かったらしいです)。ゼーゼーしながら後ろを振り返ると、おおっ!何という絶景!!エアトレックがあんなに小さく見えるゼイゼイ。

 

 

 

 

阿蘇中岳をバックに

写真では噴煙がそれ程上がっていませんが、これを撮る前はもうもうと上がっていました。

草千里は有料駐車場があるものの、ちょっと止める程度ならばカーブのところにあるちょっと路肩が広い場所に止めた方がいいかと思います。

 

 

米塚と登山隊(?)

米塚頂上付近から

 

 

米塚プチ登山を満喫したあとは、一路帰途につきました。米塚登山は思ったよりもハードで運転中は終始膝が笑ってしょうがありません。おかげでクルマも笑うようにギクシャクした走りでした。

阿蘇大橋から元来た道を逆にたどって、大津に出たのは日も既に傾きかけた頃でした。滅多に巡り会えないピーカンの日に阿蘇ドライブを楽しめた喜びを胸にこれから渋滞の国道をひたすら自宅へ向かって帰っていくのでありました…。 (完)

 

 

 

 

 

 

 

                                                                      

 

 

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