5.RVR回想記

 

 

 

 

エアトレックを契約後にすぐ、これまで長く付き合ってきたRVRスポーツギアを手放す日がやってきました。これまでの感謝を込めて洗車をしていると、色々と思い出が頭をよぎります。購入に至るきっかけとか、思い出深いエピソードを簡単につづってみました。

 

<購入前の決断の時>

 

1993年。職場が変わってやたら忙しい日が続き、その分残業代がかなり見込めるようになったので、ここら当たりで念願のエテルナを買っちゃおうかな、と思っていました。そう、実は自分はセダンを元々買おうと思ってたんです。

そんな思いで三菱車のカタログを集めていたところ、ふと目にしたのがRVRのカタログです。たしか同期の友達が去年買ったクルマでした。

「こ、コレはなんて遊び心のあるクルマなんだ!!スポーツギアの緑のボディーが素晴らしい!」と、これまでの念願をあっさり翻して、もはやRVRにぞっこん。すぐさま、販売店に飛び込んで話をしてみました。

  「すみません、このスポーツギアの緑を考えているんですけど…。」

 「あら、緑のスポーツギアでしたら、今丁度1台在庫があったと思いますよ。

  「おおっ、そうですか。それだったら買います。契約します!!」 

 

なんせ、速攻即決が自分の身上です。早速契約を交わしました。

ところが、その数時間後担当者から電話が入って、

 「すみません。緑がタッチの差で売れていました。紺色ならすぐ納車出来るんですが…。」

 「ほへっ!?」

 

おいおい、そりゃないぜ、三菱さん!! …どうしよう、RVRが欲しくなった理由は「緑ボディにほれたから」だったんですけどね。

 

色にこだわるか、即納車を選ぶべきか

 

結局即納車を選んでしまいました。一応紺色も渋い色だったのでホッとましたけどねぇ。

 

RVRスポーツギア 2000cc DOHC

 

色は紺色で、当時一番人気があった色らしいです。

自分が好きだったグリーンは、バッタのようだとか言われたりして、それ程売れなかったとか。

 

 

<金がないのに飛びまくる>

 

天国から地獄へ?

新車が来てもう喜び三昧の日々。しばらくは仕事も忙しくてなかなかドライブに行く時間がないけど、まぁ残業代が入るからローンには困らないよなぁ。

そう思っていた矢先にまさかあのような一言が待っていようとは!!それは係のミーティング上で係長が「あぁ、次に残業抑制の話なんだが。来月からMAXの残業時間を3分の2に抑制することになります…」

 

(ぶふぉ!!ちょ、ちょっと待った待ったぁ!!)

何で買ってからそんなことになるんですか?あぁ、またまた借金生活に逆戻りですわ。

 

すわっ!10万円!?

ということで、残業が減って月々のローンだけでも汲々なのに、納車から1年も経たぬウチにあちこちぶつけまくり、その修理代でさらに追い打ちをかけられました。それでも修理代としては多くても2万円程度だったので、それ程多額の費用を払っているという認識はありませんでした(まぁ、ちりも積もれば何とやらだけど)。

しかし納車してから1年も経たないあの5月にまさかあのような出来事が待っていようとは!!それは出張先の岩国から帰ってくる途中のことでした。

中国道の曲がり角で目の前に動物が飛び出てきて思わず急ブレーキ。タイヤがロックしてあれよあれよという間にガードレールにドッカン

グリルガードを削った上にリアフェンダーもへこまして、修理代は10万円!出張で貯まったお金もこれでチャラ。やっぱり出張は公共機関で行かないとな!!、と痛感した次第です。

 

はぅ!更に8万円!?

高速ショックも癒えぬその月に、バイクのオイルを買いにカーショップへRVRで出かけたら、そこの店長が歩み寄ってきました。不敵な笑みです。

  「いいクルマに乗ってますねぇ。」

  「ええ、まぁ。。。」

  「これにアルミホイールをつけるとぐっと走りが良くなりますよ?」

  「いや、アルミはもう付いているから別にいらんよ」

  「いやいや、純正のアルミと比べると格段に違うんですよ。ほら、このクルマだったら5本スポークが似合いそうですね。」

  「うーん、でも高いし、またすぐ出張するから時間もないし、やっぱりいらない」

  「いやいやいや、今なら即取付できますし、しかも嬉しいことにただいまキャンペーン中なんです。平常価格は15万円ですが今なら

50%オフ。5本で7万5千円になるんです。今しかないですよ?」

  「ほー、そうかい(ホントかな)。ホントに今日取り付け可能なんだな。なら買ってもいいけど。」

店  「そうですか!ローンでいいですかね。じゃぁこちらに手続きして下さい。今から在庫当たりますので。

 

(ちょっと待て!即取り付けと言っておいて、なぜ在庫当たるんだ?)」と思いつつ契約完了しました。ところがしばらくして、

 

「すみません。在庫なくて1週間後の取り付けになりますけどいいでしょうか」

「はぃ!?」、

 

いいわけないだろうが、俺は明日からまた出張でいないんだ!!)と心の中では店長を罵倒したのですが、口ではOK。結局取り付けのために1週間後に岩国から帰ってくる羽目になりました。そこでまたあんな事になろうとは…。

 

 

 

 

 

カーショップの口車に乗せられて買ったアルミです

 

かはっ!とどめの9万円!?

アルミを取り付けてもらっていると、またまたあの店長登場。こ、今度は何だ?

 

 「お客さんのカーステにはグライコ(グラフィックイコライザー)付いてないですね。どうです?グライコをつけたら、音が格段に良くなりますよ。」

 「うーーん、欲しいが、今のカーステまだ半年も経ってないし。もうちょっと使って新調するからいいや。」

 「いやいや、今のカーステに拡張するだけでいいはずですよ。それだったらかなり安上がりでしょ」

 「ほー、そうかい(ホントかいな)。拡張できるんならつけてもらうかな」

 「そうですか、じゃぁアルミをつけている間に早速グライコも取り付けましょう。」

 

それから10数分後…、何だか申し訳なさそうに、しかし見たことのないカーステ持って歩み寄る店長。な、何だかイヤな予感?

 

「すみません。適合しませんでした。これならOKですけどいいでしょうか」

「はぁ!?」 

 

(ふ、ふざけんな、話が違うじゃないか、それだったらいらん!!)と心の中では店長を罵倒したのですが、口ではOK。ああ、どうしてこう押しに弱いんだ!!!価格しめて8万9800円。

事の初めは、単にバイクのオイルを買いに行っただけなのに、それが合計17万(高速ショック費含めると27万)!もうこの店には怖くて行けません。

 

 

 

<やばそうな所は運転してはいけません>

 

戦慄のバック!

とある天気の良い午後、ちょっと気分転換にと知らない山道に足を踏み入れました。多分、この道を進めばあそこに出られるはず…?と、ちょっと確信めいたものを持って入ってみたのですが、行くごとに道は狭くなり、ついには前方行き止まり。左は断崖の崖、右はそそり立つ崖。道幅わずかに2mちょっと?「ど、どうする!Y−da?」 ちょっと悩むもここは来た道を苦手なバックで戻るしかありますまい。

少しバックしては外に出て問題ないか確かめて、また少しバックしては外に出て…。

 

かつてこれ程スリリングなドライブがあっただろうか!

 

距離にしてわずか1kmあまりだけど、抜け出たときはすっかり日も落ちてました。バックは苦手な自分だったけど、この日を境にちょっぴり自信がついたかもしれないと思った1日でした。

 

雪の山道ジャックナイフ

ものすごい寒気が押し寄せて九州でも珍しく大雪が。雪が降ったのは10何年ぶりじゃないか?と思うぐらいの大雪でした。それから3日後の良く晴れた冬のある日、下界では雪が解けているので、山の方も大丈夫だろうと思っていそいそと山の方へドライブに出かけてみました。これがそもそも間違いでした。山の方はまだ雪が積もっていて、登るほどに雪が増大し、不安も増大していくのです。「ここまで来たんだから意地でも登ってやるぜ…。」と意気込んだものの、目の前に現れた離合スペースを見た途端「もういい、もうここで引き返そう」

 

しかし、行きはヨイヨイ(でもないけど)帰りはコワイ、とはよく言ったもので、滑る路面を下るのは登り以上にコワイじゃないですか。あと、もう少しで道が広くなる、と思った瞬間ツルッと滑ってクルマが横向きに。しかも滑る先は崖!!

 

おお、おお?やばい、止まれ、止まるんだRVR。4WDの威力はどうした!!

 

かろうじて止まりましたが、クルマは進行方向に対してほぼ直角になっていて、このままではにっちもさっちも行きません。切り返しをすれば何とかなりそうなんですが…、後ろは切り上がった崖でこのままバックすれば間違いなくリアバンパーを擦ってしまいます。

「ど、どうする!Y−da?」 かなり悩むも背に腹は代えられません。意を決してクルマに乗り込み、そろそろと後ろに進み始めます。

 

ガッ、ガリガリ、ガガガガガガッガッ…

 

あああ、擦れていく、またバンパーが擦れていくよぅ…。肉を切らせて骨を絶つこの作戦、涙なくしては語れません。

 

 

とまぁ、ぶつけて擦って金出して、と出費がかさんだことばかりしか記憶に残っていないのが実情なんですが、8年間ご苦労様でした。むちゃくちゃ傷つけてしまったけど、装い新たにして誰かと楽しく駆け巡ってくれていることを願ってます。

 

 

 

 

ロッドアンテナにとまるオオシオカラトンボ

 

 

引き渡し直前のRVRの雄志

 

走行距離は41845km

 

 

                                                            

 

 

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